解答
「実現」という用語が多義的に用いられていること、及びそのいずれか1つの意義(換金可能性や処分可能性のみで実現と判断して純利益を認識すること)では、様々な実態や本質を有する投資について、純利益及び収益・費用の認識の全体を説明するものではないことから、これらを包摂的に説明する用語として「投資のリスクからの解放」という表現を用いた。この表現を用いると、純利益はリスクから解放された投資の成果であり、それは、企業が行った投資に関する期待に対比される事実が生じたか否かで判断される。
例えば、上場している子会社関連会社株式やその他有価証券は、現金あるいはその同等物への転換が容易であり、その時価評価差額は「実現可能な成果」と解釈することができる。しかし、これらの有価証券の売却処分には事業上の制約が課されており、その時価評価差額はリスクから解放された投資の成果とはいえないからである。 (財務会計の概念フレームワーク・第4章・58項)