【税理士試験・合格体験記】 ブランク明けからの挑戦!


名前:岡本緑さん
合格科目: 日商簿記3級 (1983年)、日商簿記2級 (1985年)、 日商簿記1級 (1988年)、 財務諸表論 (2019年)
出身地: 東京都
学習時間:平日4時間・休日4時間
出身高校:大妻高校
出身大学: 大妻女子大学
主な学習場所: 自宅、自習室
学習スタイル:『会計人コース』、ICOライセンススクール、大手専門学校
目標:2020年簿記論 合格

簿記との出会い

大学の英文科を卒業後、一般企業に就職。経理課に配属されましたが、当時は簿記の知識などなく、上司に相談したところ、日商簿記3級の取得を勧められました。今から30年以上も前になりますが、仕事の後、大手専門学校に通い、まず3級を取得。続けて2級(2回受験)、1級(3回受験)を取得しました。その後、結婚を機に退職。3人の息子に恵まれました。

子育て中も会計の勉強が気になり、本屋で会計の本を立ち読みしたりしていました。そして見つけたのが『会計人コース』。時折購入しては、子育ての息抜きに計算問題を解いたり、合格体験記を読んだりしていました。

そんなある時、電車の中で『会計人コース』に目を通していたら、ご年配の女性の方が「あなたも受験されるのね。ぜひ頑張ってくださいね。」と声を掛けてくださいました。以前会計人を目指し『会計人コース』を購読されていた方なのでしょうか。そこで私は繋がりを感じ、心が温かくなりました。そんなこともあり、なんとなく家の中に『会計人コース』があり、子育ても落ち着き、自分の時間が持てるようになったため、迷わず税理士を目指す勉強を始めました。今から5年前のことになります。

ブランク明けの勉強
  ~思いどおりに勉強が進まない…

しかし、久しぶりの勉強はなかなか思うように進まず、かなり大変でした。まず、日商簿記1級の勉強やり直しから始めたのですが、取得時(30年以上前)より論点が増えていて、退職給付引当金、資産除去債務などなど、初めて見る論点ばかり…。独学ではとても対応できず、大手専門学校の簿記論の「基礎コース」に通い始めました。仕事をしていなかったため、時間には余裕がありました。日中授業を受け、1年後1回目の受験、結果はC判定。まだまだです。

不合格が続いた時に感じた不安…

次年度も同じ大手専門学校に通い、簿記論は「上級コース」、財務諸表論は「基礎コース」を受講。この頃から、週に2回経理のパートを始めたので、夜の授業に変更し、週4コマ通いました。そして2回目の受験、結果はB判定…。

判定は前年より1つ上がりましたが、なぜか合格までの道はとても遠いものになった気がしました。勉強しているけど自分なりの勉強の進め方が掴めなかったこと、また受験すること、家族のことや家事、経理のパートと不合格だったことへの気持ちの整理ができず、当時はいっぱいいっぱいになっていたのかもしれません。家族は応援してくれていましたが、少し心配もしてくれていました。

もう一度受験「するか」「しないか」
悩んでいた時に出会った1冊

井ノ川博行著
中央経済社
2017年5月刊行

「今後どうしよう」などと考えながら本屋で教材を探していた時、『税理士 簿・財 でる順計算マスター』(中央経済社、井ノ川博行著書)を手に取りました。解き進めていくうちに自身の中で理解が深まったことから、すぐに井ノ川先生のICOライセンススクールの「1年コース」に通うことを決め、再度、受験する決意を固めました。

ICOライセンススクールでの授業

授業は土日の日中に通い、土曜日が財務諸表論の理論、日曜日が簿記論の計算と通いやすかったのと少人数制の授業ということもあり、自分に合っている気がしました。ICOライセンススクールの授業カリキュラムは、基礎と応用は公認会計士を目指すコースの方々と同じ講義、演習。直前期のみ公認会計士コースと税理士コース分かれての答練でした。

公認会計士対策コースは、授業内容も雰囲気も今まで受講した授業とは違い、始めはついて行くのに精一杯でした。しかし、授業で使用するテキストは、基礎から応用までのすべてが網羅されているし、レジメや解法手順等もわかりやすく、しかも丁寧。繰り返し読み、あせらずゆっくり解くことで内容の理解が深まりました。また、税理士試験対策の解法も組み込んでいただきました。

ICOでの授業内容が公認会計士対策と同じというのは、「近年、税理士試験が公認会計士試験に近づいている」という井ノ川先生の見解からだそうです。確かに公認会計士対策の演習は、難しい論点の深いところが問われ、理論の論述は高いレベルを求められましたが、逆に“挑戦してみよう”という気持ちを持てたので、できなくても落ち込まず、休むことなく淡々と授業を受け続け、自分のペースで学習を進めることを許されている感じさえしました。

また、公認会計士を目指す方々が「勉強は順調ですか?」と声を掛けてくださり、わからないところを気軽に質問することができました。そして、しっかり教えてもらえたことも大きかったです。とてもありがたかったです。

3回目の受験リベンジの結果は…

本試験から合格発表までは,『会計人コース』を購読しながら、今までICOライセンススクールで習ったことを復習したりしていました。そして、迎えた合格発表…3回目の簿記論、1回目の財務諸表論の受験結果は……「B判定」。ではありましたが、以前よりも確実に力がついてきた実感もあり、先が見えてきた気がしました。

4回目のリベンジ対策

合格発表後は、井ノ川先生に今後のことを相談したところ、先生のご厚意でマンツーマンの授業を週1回、4ヵ月(1月~4月)していただけることになりました。今思えば、1対1の授業で感じた緊張感は本試験の時に、活きたと思います。マンツーマンの授業の後は本試験まで、計算も理論もできないところを質問しに行ったり、本試験前には予想問題の模試もしてくださりました。

他にも大手専門学校の答練にも通いました。ただし、理論に不安があった財務諸表論のみです。答練は出来不出来の波はありましたが、いつもほぼ平均点くらいで「なかなか伸びないなぁ~」と思いましたが焦りはありませんでした。目の前のものを自分にはどう活かせるのかを常に考え、問題に取り組んでいたこともあり、本試験の1ヵ月前でやっと合格ラインに!

復習は『会計人コース』で

ICOライセンススクールや大手専門学校で習った論点をその都度『会計人コース』の問題で確認しました。解法手順などに興味があったこともあり読み込みました。本試験直前の試験委員対策の予想問題は何度も解きました。すごく役に立ちました。

直前期は財務諸表論に注力

 4回目の受験も前回と同様、簿記論と財務諸表論を受験しますが、直前期の勉強は苦しんでいた財務諸表論に注力しました。財務諸表論の計算の手応えと公認会計士用対策の答練を受ける中で、だいぶ理論の論述が書けるようになってきた感じがあったからです(執着も少しあったのかもしません。簿記論の方が長くやってきているのですが、面白いものです)。

そして、運命の合格発表。見事、財務諸表論は合格することができました。合格がわかった時は、心の底から喜びました!!

今まで諦めずに受験を続けられたワケ

 私が合格できた要因は、合格への思いを持ち続けることができたこと、そして何より合格へ導いてくださった『会計人コース』と井ノ川先生に感謝したいと思います。また、見守ってくれた家族にも。

<編集部より>
ブランク明けからの勉強お疲れ様でした。新たな会計処理を覚えたり、忘れていた知識を思い出す作業等、勉強のやり直しは大変だったと思います。受験を「するか」「しないか」悩んだ時の出会いは運命を感じますね。残りの科目の合格報告楽しみにお待ちしております。

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