<直前期集中連載>財表理論 インプット&アウトプット同時マスター講座(第11回)―棚卸資産①


Ⅲ 資産会計⑤
※ 本連載では「通常の販売目的で保有する棚卸資産」を前提とする。

4.棚卸資産(棚卸資産評価に関する会計基準)
25.棚卸資産の範囲と各具体例 ★

 棚卸資産の範囲は,次のいずれかに該当する財貨又は用役である。
(1) ①通常の営業過程において②販売するために保有する財貨又は用役 
例:③商品,④製品
(2) 販売を目的として⑤現に製造中の財貨又は用役
例:⑥仕掛品,⑦半製品
(3) 販売目的の財貨又は用役を⑧生産するために短期間に消費されるべき財貨 
例:⑨原材料,⑩工場用消耗品
(4) ⑪販売活動及び一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨 
例:⑫事務用消耗品,⑬荷造用品

26.後入先出法の(1)長所と(2)短所 ★
(1) 当期の収益に対しては,これと①同一の価格水準の費用を計上すべきであるという考え方によれば,②棚卸資産の価格水準の変動時には,後入先出法を用いる方が,他の評価方法に比べ,棚卸資産の購入から販売までの保有期間における市況の変動により生じる③保有損益を期間損益から排除することによって,より適切な期間損益の計算に資すると考えられてきた。
(2) 第一に,後入先出法は,棚卸資産が過去に購入した時からの価格変動を反映しない金額で貸借対照表に繰り越され続けるため,その④貸借対照表価額が最近の再調達原価の水準と大幅に乖離してしまう可能性がある。第二に,⑤棚卸資産の期末の数量が期首の数量を下回る場合には,期間損益計算から⑥排除されてきた保有損益が当期の損益に計上され,その結果,期間損益が変動することとなる。第三に,後入先出法は,一般的に,⑦棚卸資産の実際の流れを忠実に表現しているとはいえない。

*自宅学習などで音読可能であれば、ぜひ音読しましょう!


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