4 変化のすすめ
進化論を唱えたダーウィンは、強い種が生き残ったのではない。
変化を繰り返した種の内、たまたま環境に適合した種が生き残ったと主張した。
真の「強さ」とは変化できる者、制度、仕組みなのだ。
管理会計の歴史を振り返っても、企業環境が変化すると、実務の中で試行錯誤を繰り返し、その中から画期的な管理会計実務が誕生している。
会計を学ぶ皆さん、会計実務に携わる皆さんも同じである。
この新型コロナウイルス感染症による学修の停滞を嘆くのではなく、この状況の中で変化しなければならない。
失敗もあるかもしれない。
しかし、「失敗は成功のもと」と言われるようにその変化の中から、次世代の会計のプロフェッショナル、会計実務が生まれるのである。
会計知識だけの時代は終わった。
変化する力こそが「強さ」だ。
さぁ、変化だ、変化だ、変化だ!
<著者紹介>
川野 克典(かわの かつのり)
日本大学商学部教授 会計学研究所所長
青山学院大学経営学部卒業。アルプス電気株式会社、朝日監査法人(現有限責任あずさ監査法人)、ベリングポイント株式会社(現PwCコンサルティング合同会社)を経て現職。主な著書に『業績評価マネジメント』(全著、生産性出版)、『固定収益マネジメント』(編著、中央経済社)、『管理会計の理論と実務』(中央経済社)、『強い会社をつくる「バランス会計」入門』(編著、中央経済社)、『ものづくりの生産性革命-新たなマネジメント手法の考え方・使い方』(編著)などがある。