学生時代に知った「努力を継続する」意味


弥永真生(筑波大学教授)

40年近く前に受験勉強していたとき、その後の研究者としての生活の中で、ときには他人に比べて自分の能力が十分でないことを痛感しました。しかし、高校時代の成功体験(?)が、努力を継続させてくれた原因の1つであったように思います。
 
1年生の3学期の体育はなわとびでした。なわとびの授業では、20種類の指定された飛び方でそれぞれ10回ずつ飛べれば、10段階評価の10がもらえる(相対評価ではなく、絶対評価)ということになっていました。

ところが、最初は、前方二重跳びすらできませんでした。授業と授業との間の10分の休み時間を含め、他の科目はすべて放り投げて、ぴょんぴょん跳んでいました。実際、なわが3回ほど焼き切れました。

見るに見かねて、友人たちや運動が得意な上級生の方々が一生懸命コツを教えてくれました。終業式の前の日の夕方に20種類目をクリアできました(このときの通信簿は一生の宝)。

この経験から、人の5倍、10倍、20倍ぐらい力を注げば、周りの方々も手を貸してくださるし、そのおかげで、人並みにはなれることが、人間にはけっこうあるのだということを学びました。

<著者紹介>
弥永 真生
(やなが まさお)
筑波大学ビジネスサイエンス系教授
明治大学政治経済学部(在学中、不動産鑑定士2次試験、公認会計士2次試験に合格)、東京大学法学部(在学中、司法試験、公認会計士3次試験に合格)卒業後、東京大学法学部助手などを経て現在に至る。主著『会計基準と法』『「資本」の会計』、『デリバティブと企業会計法』 (以上、中央経済社)、『コンメンタール会社法行規則、電子公告規則 [第2版]』、『コンメンタール会社計算規則、商法施行規則 [第3版]』(以上、商事法務)、『リーガルマインド会社法[第14版]』(有斐閣)など。


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