“コロナショックに負けない!会計人への応援メッセージ❹”―新型コロナウイルスの影響による経営者の打つべき手と緊急融資先(寺嶋 直史・株式会社レヴィング・パートナー代表取締役、 事業再生コンサルタント、中小企業診断士)


 私は事業再生コンサルタントとして、さまざまな業種の中小企業の経営支援にあたっています。現在、新型コロナウイルスによって世の中が自粛モードとなり、その影響は、飲食関係や旅行関係、小売店やサービス業、そして製造業や卸売業まで、さまざまな業種の膨大な数の中小企業に及んでいます。さらにその規模は国内全域から全世界に広がっています。

1 東日本大震災の時の再生

 今回のような多くの企業が打撃を受けた大規模なものは、近年では東日本大震災がありました。
 この時は、残債のある工場が地震と津波で崩壊したため、再生を図るために各企業は新たに借入をして新工場を建設し、旧工場と新設工場の双方の借入による「二重債務問題」が発生しました。
 そこで国の機関がこの二重債務を買い取る対策を取ったことで、各企業は苦しい中でも何とか再建を図ることができました。
 
 つまり東日本大震災の場合、多大な影響はありましたが、需要自体は落ち込んだわけではなく、かつ被害地域は限定的で、債務も国が買い取ったため、再生が図れたのです。

2 東日本大震災と今回のコロナショックとの相違点

 しかし今回の新型コロナウイルスは、影響が国内全体から全世界に及んでおり、需要自体が落ち込んでいます。そして現時点(2020年4月上旬)では収束の見通しがついておらず、自粛モードが長期化するおそれがあります。
 影響が国全体のさまざまな業種に及んでいるため、全企業を対象に債務を圧縮することは難しい可能性があります。
 
 つまり、需要自体が落ち込んでいること、この落込みは長期化する可能性があること、国全体の多くの業種が対象のため債務圧縮は期待できないこと、これらの点が、新型コロナウイルスと従来のものとで大きく異なる点です。
 
 そのため、短期的な融資ですべてを解決させると考えることは非常にリスクが高いといえるでしょう。生き残るためには、多くの企業が、現在の大幅に落ち込んだ需要が長期的なものであることを踏まえて、経営体制を見直さなければならない状況にあると考えるべきです。


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