新型コロナウイルスの影響下で経営者の打つべき手と緊急融資先


3 経営者の打ち手は?

 生き残りのために経営者が打つべき手は、現在の落ち込んだ売上で利益をトントンか、少なくとも大幅にマイナスにならないように、経費を削減したり、組織を小規模化したりすることです。
 もちろんすべての企業が当てはまるわけではなく、個々の状況に合わせる必要がありますが、今回で売上が大きく落ち込み、資金繰りに余裕のない企業は、現在の需要をベースに、長期的な需要低迷を見込んで経営を見直すことが求められます。
 
 ただし、資金繰りの厳しい中小企業の中には、今月にも資金ショートする可能性があるという会社も少なくないため、緊急融資は必要です。
 そのため、これから必要な対策は、融資だけに頼らず、「融資」と「経営体制・組織体制の見直し」をセットで考えるべきです。

 なお、新型コロナウイルスに関連する特別融資が、日本政策金融公庫などから発表されていますので、いくつか簡単にご紹介します。
 
 当初は金融支援(リスケなど)を受けている企業は対象外だったのですが、現在は金融支援を受けている再生企業でも幅広く受け付けています。融資の内容は、無利子・無担保融資や、マル経融資の金利引下げなどですが、細かい条件などはよくわからないという経営者も多いと思いますので、まずは問合せをして相談してみるといいでしょう。窓口のご担当の方々は丁寧に説明してくださいます。

<新型コロナウイルスによる資金繰りに関する問合せ先>
【新型コロナウイルスに関する資金繰り全般に関する問合せ】
・中小企業金融相談窓口(平日・休日ともに9時~17時):03-3501-1544
・金融庁相談ダイヤル(平日10時~17時):0120-156811(IP電話:03-5251-6813)

【日本政策金融公庫】
・無利子・無担保融資、マル経融資等の相談窓口
平日9時~17時:0120-154-505
土日・祝日ともに9時~17時:0120-112476(国民生活事業)、0120-327790(中小企業事業)

【商工中金】
・無利子・無担保融資等の相談窓口
平日・休日ともに9時~17時:0120-542-711

■Profile
寺嶋 直史
(てらじま なおし)
株式会社レヴィング・パートナー代表取締役
事業再生コンサルタント、中小企業診断士。2010年に事業再生コンサルティング会社を設立して、さまざまな業種の事業デューデリジェンスや現場の実行支援を行っている。その他、1年で一流の経営コンサルタントを育成する「経営コンサルタント養成塾」の塾長として、事業デューデリジェンス、財務分析、経営改善、事業計画、金融機関対応、マーケティング・ブランディング、実行支援などの講義を行っている。著者に『事業デューデリジェンスの実務入門』(中央経済社)、『儲かる中小企業になるブランディングの教科書』(日本実業出版社)等がある。

寺嶋先生の著書

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