新型コロナの猛威が日本を覆っていますが、まもなく春。
今春4月から税理士試験の税法免除のために大学院に進学し、あらたな気持ちで気を引き締めている方もいらっしゃると思います。
大学院を修了して税法に関する修士論文が国税審議会の審査をパスすれば、税理士試験の税法科目2科目が免除になります。
しかし、ある先生は「大学院で税法免除を得るのはそう簡単なものではない。もしかしたら、試験に合格する方が楽かもしれない。試験を受けて合格するほうが楽、というぐらいの努力が必要」とおっしゃっていました。
では、どのように大学院での研究に取り組んでいけばよいのでしょうか?
東洋大学大学院経営学研究科で税法科目、および研究指導を担当されている金子友裕先生に、アドバイスをいただきました。
なお、本インタビューは、これから大学院に進学を検討される方にも非常に有益ですので、ぜひご覧ください!
1 大学院は「研究」をするところであって、受験とは思考が違う!
―大学院に入学して2年間で講義を履修し、さらに修士論文を仕上げることについて、気をつけるべき点はありますか?
金子 特に会計事務所や企業の経理部で実務を経験されている方は、法令や通達がこう規定されているから、といってそれを当然のものとして考えて思考停止しているケースが多いように感じます。
現在の税理士試験では、知識を問われることが重視される傾向があるので、受験という意味ではそれでもよいかもしれません。
しかし、大学院では「研究」することが求められます。
「研究」のためには、ただ知っているだけにとどまらず、なぜそのような制度になっているのかに興味をもって、それを掘り下げていく必要があります。
そして、修士論文は、それを表現していくことになります。
つまり、知っていることをただ並べても修士論文で求められる研究論文にはなりません。
なぜそうなっているのか、そして果たしてそれが妥当なのか、まで考えて、それを提示することが求められるのです。
「受験脳」と「研究脳」は根本的に違うということですね。
まず、この点を認識する必要があります。
この意識を変えることは、非常に重要ですね。