【解答】
【解説】
有価証券の換算方法は評価と関連づけて決められています。そのため、時価評価をしながら取得時レートを使用することはありません。同様に考えれば、取得原価に決算日レートを組み合わせることもないはずですが、時価を把握することが著しく困難なその他有価証券について取得原価による評価を行う場合でも、より期末の実態を表すために換算は決算日レートを用いることになっています(表の一番下)。また、満期保有目的の債券は、償却原価(償却原価法を適用しない場合は取得原価)に決算日レートを組み合わせます。これは、元の有価証券の評価方法と結びつけて換算を行うのではなく、金銭債権の換算に準じた換算です。そのため、換算差額の取扱いも、さきほどの時価を把握することが著しく困難なその他有価証券の換算差額はその他有価証券の時価評価差額と同様に純資産直入ですが、満期保有目的の債券の換算差額は金銭債権と同様に為替差損益となります。
この表に含まれていない論点としては、償却原価法によって認識する有価証券利息は期中平均レートを用いる、債券をその他有価証券として保有する場合の損益の取扱いなどがあります。
つぶ問は、2018年9月号~2019年8月号までの連載「独学合格プロジェクト 簿記論・財務諸表論」(中村英敏・中央大学准教授/小阪敬志・日本大学准教授)に連動した問題です。つぶ問の出題に関係するバックナンバーはこちらから購入することができます。