大学院担当教授が教える科目免除制度の概要―入試から修了まで


3.大学院と専門学校との考え方の違い

多くの税理士試験受験生は、専門学校へ通い試験合格を目指し勉強に励んでいます。そこでは、税法科目についてみれば、本試験において論文試験と計算試験が出題されるため、論文試験対策として税法条文の解説がなされ、受験生には条文の暗記が求められます。
同様に計算問題対策でも条文ごとの計算方法の解説がなされ、それをいかに早く、そして正確に計算できるかが求められます。

これを一言で表現すれば、理解し、覚えて、それを正しく表現できればよいということにもなります。さらにいえばインプットとアウトプットということもできるでしょう。

他方、大学院は「研究機関」です。一般的にいって大学院へ進学する者は、修士・博士といった学位を取得して、将来研究者の道に進もうと志している人たちです。ですからここでは「研究」が求められるのです。

では「研究」とはどういうことをいうのでしょうか。これもおおまかにいえば、何か1つ問題点(テーマ)を自ら見つけ出し、そのテーマに関するこれまでの研究者による研究(「先行業績」などといいます)をつぶさに分析し、その結果を踏まえたうえで、自らのテーマについての自らの答えを見つけだすといった作業ということもできます。

ですから、ここでは何もないところから何かを生み出さなければならないのです。つまり、ここで求められる作業とは、インプットとアウトプットだけに留まらず、「考察」、すなわち考える作業が重要なのです。修士を取得するためには修士論文を作成しなければなりません。修士論文の作成には、「自ら考える」という作業が重要なのです。

これまでインプットとアウトプット作業に慣れ親しんできた方々は、ここに大きな戸惑いを感じているようです。
私の場合、事前に大学院志願者と面談を行い、このことをきちんと理解してもらっています。

4.入試に向けての準備

日本大学大学院法学研究科の場合、毎年4回、大学院進学説明会が実施されています。大抵の志願者はこれに参加しています。また志願者は、入学願書提出前に必ず希望指導教授との面談が求められます。この面談は、大学教務課を通じたアポイントのうえ行われます。ここでは私の面談の様子を紹介することとします。

まず面談では、先に述べた「研究」ということを説明します。その次が「研究テーマ」についてです。これも先に述べたとおりです。それから税理士試験の科目合格の状況もお聞きします。

また社会人の場合、大学を卒業してからかなりの時間がたっている、法学部出身ではないといった志願者が多く見受けられます。大学院では、基本的な法律学の素養ができていることを前提に授業が進められて行きます。そのため入学試験合格を前提に、入学前準備として、税法はもとより憲法をはじめとした基本的な参考書5、6冊を並べて、4月までに熟読してきちんと理解しておくようにと指示を出しています。

よくある質問として、社会人の場合、仕事との両立を聞かれます。残念ながらこれに対する答えとしては、「あなた次第」としか答えようがありません。通常の勤務をこなしながら通ってくる方、2年間は特別の勤務形態にしてもらっている方など様々です。ただし、いずれの場合も勤務先に迷惑をかけることにもなります。したがいまして、必ず勤務先は大学院進学に理解を示してくれているのか、ということも確認しています。

最後に入学試験ですが、社会人入学の場合、1.書類審査、2.筆記試験、そして3.口述試験となっています。1.書類審査ですが、事前面談で指導教授との打合せが必要となります。2.筆記試験、税法学の最も基本的なことを聞いています。3.口述試験は面談の内容などを再度確認しています。


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