会計人なら知っておきたい! 会計“外”のコト④~現金実査


 簿記を学習したことがあるみなさんは、現金実査という言葉を聞いたことがあるでしょう。現金実査は会社に実際ある現金を数え、帳簿上の現金の金額と合っているか確認する手続きです。

 現金実査では、実際の現金の金額を確かめることができるだけでなく、現金の盗難や帳簿のミスがないか確認することもできるので、とても重要な手続きです。会社だけでなく個人事業や商店でも現金実査を行います。

 現金実査で帳簿と実際の金額が一致していないからといって、焦る必要はありません。まず、経費などの支払いをしたが仕訳をまだ書いていないものがないか、確認することが大切です。きちんと確認すれば、仕訳の書き忘れを発見することができます。仕訳の書き忘れだけでなく、仕訳の金額の書き間違いを発見できることもあります。不一致の原因が見つからないときは、「現金過不足」や「雑損」「雑益」で仕訳しておき、後で原因がわかったときに調整します。

 ほとんどの会社では、現金実査を毎日行いますが、毎週末、毎月末に行う会社もあります。また、どの業種でも年度末には必ず現金実査を行います。監査を受けている会社では、公認会計士の立ち合いの下、年度末の現金実査を行います。

 毎回の現金実査で、帳簿と実際の金額の不一致が続く場合は、現金の盗難を疑ったり、現金の管理を見直すことが必要です。

 「現金を扱う担当者」と「帳簿を書く担当者」が同じ人だと、現金を盗難したときに、自分で帳簿を調整して盗難が見つからないようにすることができるので、担当を分ける会社がほとんどです。大きい会社では、現金を扱う人がパソコンで帳簿の入力権限を持たないという設定にしています。小口現金を利用して、残りの現金は金庫にしまっておくこともあります。小さい会社では、会社の業務をしていない社長の奥さんが、現金の管理だけする場合もあります。

本稿は、『会計人コース』2019年12月号に掲載したコラムです。

よせだあつこ(willsi株式会社取締役/公認会計士)
監査法人トーマツを経てwillsi株式会社を設立。簿記学習アプリ「パブロフ簿記」はシリーズ累計30万ダウンロードの大ヒット。著書に「パブロフくんと学ぶITパスポート」「パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級」などがある。監査法人や自身の会社での実務経験から,わかりやすい解説・合格できる解法を受験生へ伝えている。


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