つぶ問7-1(財務諸表論)―外貨、デリバティブ、ヘッジ、税金、税効果


【解答】

① 本国主義とは在外事業体を本国の事業と一体のものとする考え方である。そのため、在外事業体の財務諸表はテンポラル法により本国と同様の換算を行う。それに対して、現地主義とは在外事業体について現地の独立した事業としての性格を重視する考え方である。そのため、換算にあたっては決算日レート法などの単一レート法により、現地通貨における各項目の金額の大小関係が変わらないようにする。

② 換算のパラドックスとは、各財務諸表項目に適用される換算レートが異なる結果として、各項目の金額の大小関係が換算前とは異なり、例えば現地通貨では利益であったにもかかわらず換算後では損失となってしまうことである。本国主義の考え方からすれば、パラドックスの現象が生じたとしても本国と同様の換算結果にすぎないため問題とはならない。しかし、現地主義の考え方からすれば現地の事業体の成果が財務諸表へ反映されなくなるため、パラドックスは問題となる。よって、現地主義からすると単一レート法を用いる必要がある。


【解説】

 解答のとおりです。実際の計算例は本誌(2019年3月号)に載せていますので、あわせて確認してください。

つぶ問は、2018年9月号~2019年8月号までの連載「独学合格プロジェクト 簿記論・財務諸表論」(中村英敏・中央大学准教授/小阪敬志・日本大学准教授)に連動した問題です。つぶ問の出題に関係するバックナンバーはこちらから購入することができます。

【つぶ問】一覧
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