公認会計士・税理士 加藤大吾
本連載では、税理士試験の簿記論・財務諸表論において、執筆者の指導経験上、誤答が多かった論点を取り上げます。【問い】に対する【解説】のなかに誤りを含む部分があるので、「ここが間違いじゃないかな?」と指摘してください。電卓をたたかなくても、スキマ時間に間違いさがしは可能です。この連載を解くことで、簿記の勉強はもちろん、実務において取引記録を見ながら誤りを発見するという職業体験もすることができます。ぜひチャレンジしてみてください。
本連載は、会計人コース2020年3月号別冊付録「読んで考えて総復習 間違いだらけの計算問題」を再編集したものです。
難易度 | ★☆☆☆☆ |
問題14 賞与引当金
【問】 次の〔資料〕に基づき,当期末(X2年3月31日)の貸借対照表の賞与引当金はいくらか,求めなさい。
〔資料〕
1.当社の従業員賞与の支給対象期間は,次のとおりである。
支給対象期間 | 支給日 | |
夏季賞与 | 11月~4月 | 6月15日 |
冬季賞与 | 5月~10月 | 12月15日 |
2.X2年6月に支給される夏季賞与について,支給予定額が1,500,000円と見積られた。
3.X2年3月期の会社業績が好調であったために,夏季賞与とは別に,X2年4月に臨時的な賞与600,000円を支払うことが決定した。
【間違いを含む解説】
1.支給対象期間に基づく従業員賞与の当期負担額
1,500,000円÷6ヵ月×5ヵ月=1,250,000円
2.決算整理仕訳(解答の金額)
(借) | 賞与引当金繰入額 | 1,850,000 | (貸) | 賞 与 引 当 金 | 1,850,000 |
(注) 1,250,000円(支給対象期間に基づく従業員賞与)+600,000円(臨時的な賞与)=1,850,000円
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