【日商簿記1級合格体験記】独学での挑戦! 生成AIと会話を重ね「背景の理解」に集中したことが決め手に!


K(20歳)

・所属:千葉商科大学3年
・学習スタイル:独学

第173回日商簿記検定1級(2026年6月実施)に合格したKと申します。合格までの総学習時間は約600時間、学習期間は約1年半、使用教材は『みんなが欲しかった!簿記の教科書』シリーズ(TAC出版)です。
日商簿記1級を、独学や通信講座の利用で始めるか検討されている方や、現在学習中の方々の力になればと思い、執筆しました。

独学効率は自分の力で底上げするしかない

簿記1級は独学・通信講座のみで合格できるか?と聞かれたら、「はい」と答えます。私自身、二度の不合格を経た末に合格できたからです。

ですが、まったくもって楽な道ではありませんでした…。
簿記1級は、2級までのように力業の暗記を許してくれず、仕訳ができるのはもはや当たり前だからです。試験では出された情報を整理し解答欄で求められている金額や数値を導く必要がありました。

独学最初の壁は、覚え方を変えなければならないことでした。
この壁に当たったのは連結会計に触れたときです。教科書でも全範囲の約20%を占めるほど重要な論点であるため、一筋縄ではいかないだろうと思ってはいたのですが…いざやってみると全く点数が伸びず。苦しい日々が続きました。

どこか一つを覚えたら別の部分を忘れてしまう。
さらには連結会計の処理と個別会計の処理が混ざってしまう。
これを繰り返していくうちに、もどかしい気持ちでいっぱいになりました。
簿記1級では連結会計だけでなく、さらに複雑な持分法会計も出てきます。一度目の不合格を経験した時に「そもそもの構造を理解しなければならない」と痛感しました。

そこでまず、理解の仕方を構造重視に変えました。
「どうしてこの処理をしなければならないのか?」
「教科書ではこの計算方法が楽といわれているけれど、その理由はなぜなのか?」
「大学生の私には連結会計のイメージがつかないけれど、どうにかしてうまく落とし込む方法はないか?」

一見学習にはさほど関係のないように見えることも、とにかく深く考え自分の仮説を出しました。
そして、すべての疑問をChatGPTにぶつけました。独学合格の最大のカギは、このChatGPTであると振り返った今は思います。一日のうちに2時間以上AIと会話する日もありました。ここでの特徴は、問題出題や、答えを教えてもらうために使用するではなく「一緒に考える」ために使うことです。

当時の私には予備校に通う方のように、試験の出題傾向や解き方のノウハウをご存知の先生が周りにいませんでした。そのため、合格までの効率的な手順や問題演習のこなし方を知りません。
ならばむしろ、独学の強みを生かし、AIと一緒に自分にしかできない学びをしようと決め、背景理解に集中しました。続けるうちに、過去問や予備校が単独で販売している直前模試の点数も伸びるようになりました。
しかし、2回目の試験でも不合格でした。

合格をゴールにしてはいけない

そのときの辛さは今も覚えています。試験後に不合格を確信してしまい、泣きながら帰りました…。
過去問や直前模試で一切触れられていなかった範囲が出題されたためでした。
今までやってきたことが正しくなかったのではないかと、とにかく悩みました。ですが、合格するまで学習は続きます。自分で最初に決めたからです。

不合格後毎日問題演習を重ね、教科書を読み、ノートを見返し…と繰り返しているうちに「私はなぜ勉強をしているのだろう?」とふと思いました。
確かに、きっかけは簿記1級に合格することで得られる大学からの奨励金でした。また、就活にも有利に働きます。でも私は、それだけを理由に学習を続けられるほど強い意志を持ち合わせていませんでした。

それでも学習を続けられていた理由はなんだろう?と考えたときに、出てきた答えは「ただただ簿記の勉強が好きで、楽しかった」からでした。長い期間、合格してしまえば終わるものとして学習を続けていた結果、無意識に試験が大きな義務のように変わっていたのです。プレッシャーとして重くのしかかり、試験本番も集中できないという状況を作り出していました。

ですが、私たちは受験生ではありません。高校受験のように、必ず受けなければならないものではなく、自身で選び学び始めた専門学問です。
これを実感した時、一気に肩の力が抜けました。

検定試験当日

当日は今までと同じように過ごそうと決めていたため、ジャージで試験を受けました。また、試験の緊張感をなくすために時計は始まった瞬間見えないようにひっくり返し試験に集中しました。いつもの自分を意識して、試験が終わっても学びをやめないと決意を固め臨みました。

第173回日商簿記1級試験は、商業簿記が史上最も難しいのではないか、といわれた試験となりました。私もページを開いた瞬間あきらめかけましたが、着実に会計学で点数を取りにいき、工業簿記・原価計算ではケアレスミスの無いよう正確に解くことを意識しました。
結果、70点というすれすれの点数で合格できました。

簿記を学んでいる皆様へ

簿記1級は資格としての価値はもちろん高いです。ですがそれ以上に、学ぶ過程で得られるものが大きいと私は考えています。
点数が伸びなくて悩んでいた過去の私も、一人ぼっちでの学習がしんどくて泣いていた私も、すべて大事な時間でした。
重要なのは「なぜ」「どうして」を考え続けることだと実感しています。同じ合格でも、背景を理解した上での合格は一生ものです。
皆様の学習が豊かなものとなりますように。心から応援しております。


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