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税理士試験に合格した漁師
【編集部より】
税理士試験まであと1カ月ほどとなりました。受験生の皆さんは追い込みに余念がないと思います。そこで、本記事では合格者の方々が本試験直前にどのような勉強に取り組んでいたかをご紹介いただきます。ぜひ参考にして、残りの時間を効率よく勉強し、本番まで突き進んでください!
受かるか半信半疑からのスタート
2025年の税理士試験で法人税法に合格し、5科目合格(簿・財、国税徴収法、相続税法、法人税法)により官報合格しました。私は現役の漁業従事者で、漁業者として仕事をしながら税理士の資格を生かした活動をしたいと考えて2021年に試験勉強を始めて全て一発合格しました。
勉強を始めた当初は試験のことが良く分からない上に受かるかどうかも半信半疑で、勉強の本気度は10段階中の3程度でした。そんな状況でも簿・財も一発合格できたのは、簿・財が税理士試験の登竜門的な立ち位置なので基本的なことが出来ていれば受かる仕組みになっているからだと思います。
今回は基礎の大切さに力点を置き、簿・財の1ヵ月前の勉強について当時を振り返りながらお伝えします。
直前期の過ごし方
難しい答練はそんなに解き込まずに問題集1冊をやり込む方がいいです。1ヵ月前の重要な時期に難解な問題を解いて自信喪失するよりもモチベーションを常に高めて基礎的な問題の解答スピードとケアレスミスの防止に努めるべきです。
私の受験時を振り返ると、簿記論、財務諸表論の受験時は仕事が忙しくて答練は全く手を付けられませんでしたが、それが奏功したと思います。
なぜかと言うと、簿財は基本的な問題が解ければ受かるからです。直前期に予備校が用意したレベル高めの答練を解き込むとヤマが当たった場合はラッキーですが、難しい問題をやり込むことで試験本番に「あれだけ答練をやったんだから自分なら解ける」と難しい問題に手を付けるという悪手を打ってしまいます。
もちろん、時間に余裕があったりデキる受験生の方は答練で鍛えるのも良いかもしれませんが、基礎が弱いと感じていたり、苦手な論点がある受験生の方は答練を解くよりも基本問題の徹底とテキストの読み込みをしてください。
基礎が大事と言うのは簿・財が絶対評価で合否が決まるのではと感じているからです。簿・財の合格率は税法科目と違って合格率の乱高下が激しく、難しい年に当たると素直に合格率が下がります。
合格率は、税法が10~20%前後なのに対し、簿財は8%から30%近くまでぶれるため合格水準に達していないと不合格になります。
この合格水準は受験生全体の出来不出来によって点数が調整されていて、難しい年に当たって平均点が悪い中でも「点取り項目」と言われるみんなが出来る問題を解ければ自然と合格水準に達するのが簿・財です。この簡単な問題を中心に解いていくという戦略が合否の鍵を握ります。
一方の税法は簿・財合格を勝ち取った受験生との戦いなので、ある意味、他の受験生を出し抜くことが大切です。でも、簿・財は他の受験生との戦いというよりは、自分が取れるところをしっかり取ることが何よりも重要なので、簿・財と税法では戦い方が全く異なります。
そのため、下手に答練を解いて難問慣れをして「自分なら解ける」と高をくくって地雷のような難問に手を付けて時間を浪費して不合格……、ということにならないようにするために基礎問題を徹底的にやり込むことが重要です。
簿・財の基礎固め
私は受験生の時は、基本問題を網羅した「総まとめ問題集」(資格の大原)を10周くらい解きました。これくらいやれば基礎力は徹底されますし、基礎問題かそれ以外かを見分ける感覚も磨けると思います。
あとは総合問題を毎日1題のペースで解き進めていけば合格ラインまで持っていけると思います。総合問題は簡単なもので良いので毎日解くことでスピードと正確性の向上を図っていきます。
総合問題は簿財共通で出題されますが、特に簿記論においてその意識が重要になると思います。簿記論の出題は個別と総合の問題構成ですが、個別問題では2問中1問は奇をてらった問題が出される傾向ですが、総合問題は基本的な問題が多いため点数を稼ぎやすいので総合問題で失敗するとその時点で終わりと思った方がいいです。
22年の受験当時も過去問を見て総合問題なら解けそうと感じ、常に総合問題重視の勉強を心がけていました。総合問題は解き込むことで自分の解きやすい型を確立できますし解答速度も上がります。
私は問題をまず問題を読み込んで出来そうな問題に☆を付けたり、ヒントになる情報にマーカーを引いたり、重要なページに折り目を付けたりしていました。
財務諸表論は理論が半分ありますので「要点チェックノート」(資格の大原)は全て覚えましたし、TACの理論集で足りない知識を補っていました。覚えてしまえば得点できるものは覚えていくのが私の信条なので、暗記は年中やっていて直前期に入る前には仕上がっていたので直前期は記憶の維持程度でした。
簿・財の一日の勉強時間としては2~3時間くらいで、何か新しいことをやるよりも維持に努めていた感じでした。
頑張り過ぎないこと
税理士試験は準備8割、メンタル1割、運1割という印象です。何よりも事前の備え(勉強、体調管理、モチベーション維持)が重要なので1ヵ月前から死ぬほど頑張って体調を崩すよりは勉強を楽しめるように無理をしないことが大切だと思います。
あとは予備校の受講生は予備校を信じつつ、自分の感性も信じてください。1年間勉強をやり抜いた方は「この論点が出そうだな」という感覚があると思いますが、そのヤマが当たったりします。私は国税徴収法、法人税法で私が予想したヤマが的中しました。
長く書き連ねましたが、簿・財は基本に忠実を信条にして変なことをしなければ勝機をつかめます。受験生の方々の検討をお祈りします。
【プロフィール】
税理士試験に合格した漁師
漁業の仕事のない期間に資格を生かした仕事をしたいと考え、繁忙期の重ならない税理士の資格取得に向けた勉強を開始し、2022年の受験から4年で税理士試験に合格(簿・財、国税徴収法、相続税法、法人税法)。現在は北海道で漁業に従事しながら税理士法人に所属し、税理士登録に向けて実務経験を積んでいます。漁業を中心に1次産業専門の税理士になれるように勉強しています。
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