【編集部】
税理士試験まであと約3週間。直前対策に余念がない日々なのではないでしょうか。
他流試合ができる唯一の問題集として毎年好評の『税理士試験 直前予想問題集』を、今年も瑞穂会(千葉商科大学)の現役受験生が解いたとのことで、早速お話を伺いました!
1回転目・2回転目の点数や、これから本試験までの対策などについてお聞きしているので、ぜひ参考にしてラストスパートをかけましょう!
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<瑞穂会・現役受験生が解いてみた!>
聞き手:
渡邉 圭先生
(千葉商科大学准教授。基盤教育機構・「瑞穂会」所属)
お話を聞いた受験生:
・田中雄大さん
(千葉商科大学大学院2年生。大学4年生のときに日商簿記1級の勉強を始め、合格後に税理士を目指す。昨年、初めて税理士試験を受験し、財務諸表論合格)
・大林 晴さん
(千葉商科大学3年生。高校の時に税理士を目指し、瑞穂会で学ぶことを志し千葉商科大学へ進学。日商簿記1級合格後、今年、簿記論・財務諸表論を初めて受験予定)
・春山棟哉さん
(千葉商科大学3年生。高校の時に税理士を目指し、瑞穂会で学ぶことを志し千葉商科大学へ進学。日商簿記1級合格後、今年、簿記論・財務諸表論を初めて受験予定)
時間配分に課題発見!
渡邉先生 例年、瑞穂会では過去問を解く前に、この『税理士試験 直前予想問題集』を解くカリキュラムを組んでいます。
今年も簿記論の受験生が解いてみたので、その感想や手応えなどからこれから本試験までの対策の取り方を考えてみましょう。
では、まずこの問題集の「採点結果」を教えてください。
田中さん 2回転した結果は以下のとおりです。
ネットスクール | 瑞穂会 | LEC | 学者×実務家 | |
1回転目 | 64点 | 61点 | 62点 | 69点 |
2回転目 | 83点 | 77点 | 84点 | 78点 |
渡邉先生 解いてみて気づいた今後の改善点はありますか。また、掲載されている全4回分のうち、難しかった・基本的だったと感じたのはどの出題者の問題ですか。
田中さん 出題内容としては、収益認識と本支店会計が多かったので、予想論点として重要視されていると感じました。また、時間配分に課題があるので、本試験までに改善したいです。
難しかった回も基本的だった回も、瑞穂会の問題でした。
渡邉先生 難しくもあり、基本的でもあったと感じたんですね。それはどうしてでしょう?
田中さん 特段、新しい論点は特に取り入れられていなかったのですが、第一問・第二問でボリュームが多くて手こずりました。ただ、出題されている論点自体は基本的だったと思います。
時間配分がとにかく重要なので、どうやって解答スピードをあげていくかを今、考えています。基礎的な仕訳の処理スピードが遅いので、反復練習して向上していきたいです。
「なぜその処理をしているのか」を再チェック!
渡邉先生 それでは、大林さんはどうでしたか?
大林さん 2回転した結果は以下のとおりです。
ネットスクール | 瑞穂会 | LEC | 学者×実務家 | |
1回転目 | 84点 | 78点 | 85点 | 89点 |
2回転目 | 92点 | 87点 | 87点 | 94点 |
渡邉先生 解いてみて気づいた今後の改善点はありますか。
大林さん 出題内容としては、基礎的な問題と難しい問題の差が明確だったので、「基礎は絶対に落としてはいけないよ」という出題者からのメッセージが伝わってくるように思いました。
ただ、沼にはまってしまうと、決算処理で時間が足りなくなるので取捨選択に気をつけないといけないと感じました。
渡邉先生 掲載されている全4回分のうち、難しかった・基本的だったと感じたのはどの出題者の問題ですか。
大林さん 難しかった回は瑞穂会で、基本的だった回は学者×実務家のコラボです。
特に瑞穂会の問題を解いて、これまでの解き方は最終数値しか出さないことが多く、「その処理がいつ行われているか」など細かい点を確認できていなかったことに気づきました。これから本試験までに、「なぜその処理をしているか」という視点に着目して、帳簿組織の構造を再確認したいと思います。
ケアレスミスを減らして1点を積み重ねる!
渡邉先生 春山さんはどうでしたか?
春山さん 2回転した結果は以下のとおりです。
ネットスクール | 瑞穂会 | LEC | 学者×実務家 | |
1転目 | 80点 | 58点 | 72点 | 83点 |
2回転目 | 85点 | 80点 | 75点 | 80点 |
渡邉先生 解いてみて気づいた今後の改善点はありますか。
春山さん 基礎論点が多く、どの問題も出題する論点に似た傾向があると感じました。ただ、ケアレスミスが多いので、1回転目と2回転目の点数差があまり出ませんでした。
特に、連結会計や本支店会計が全4回の中でも多く見られたので、「予想論点として押さえておこう」という出題者からのメッセージを感じました。本支店会計の出題頻度には偏りがあるものの、しっかり対策をとろうと思いました。
渡邉先生 掲載されている全4回分のうち、難しかった・基本的だったと感じたのはどの出題者の問題ですか。
春山さん 難しかった回は瑞穂会の特に第一問です。基礎的だった回はLECで、新しい収益認識、株式引受権の基本問題の確認をすることができました。
2回転目の際には、得意な論点ほど油断してしまい、ケアレスミスが出やすいことに気づいたので、細かい点数の取り方をこれから本試験までに改善していこうと考えています。
編集部 ありがとうございます。「他流試合」をコンセプトにした本書から、さまざまな気づきを得て、直前期の対策に反映されているのですね!
それでは次回、「財務諸表論編」について伺います。
(「財務諸表論編」へつづく)