連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(第41回)ー 棚卸資産会計⑤


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

*連載のねらいはこちら!

問題

正味売却価額が下落していると,なぜ切下げなければならないか?

解答・解説

棚卸資産について収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には,品質低下や陳腐化が生じた場合に限らず,帳簿価額を切下げ,取得原価基準の下で回収可能性を反映させるように,過大な帳簿価額を減額し,将来に損失を繰り延べないために行われる。また,このことにより,財務諸表利用者に的確な情報を提供することができるものと考えられるからである。

*棚卸資産会計基準36項
 ”キーワードは「収益性の低下」である”

◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
第37回 棚卸資産会計①
第38回 棚卸資産会計②
第39回 棚卸資産会計③
第40回 棚卸資産会計④

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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