加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
P社(親会社)に帰属する繰延税金資産1,200円とS社(連結子会社)に帰属する繰延税金負債500円が計上されるとき、連結貸借対照表の投資その他の資産に繰延税金資産700円が表示される。
解答
×
親会社の繰延税金資産と子会社の繰延税金負債は相殺表示できない。
根 拠
企業会計基準第28号「税効果会計に係る会計基準」の一部改正
表 示 2. 税効果会計基準の「第三 繰延税金資産及び繰延税金負債等の表示方法」1.及び 2.の定めを次のとおり改正する。 1. 繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負債は固定負債の区分に表示する。 2. 同一納税主体の繰延税金資産と繰延税金負債は、双方を相殺して表示する。異なる納税主体の繰延税金資産と繰延税金負債は、双方を相殺せずに表示する。 |
ワンポイントアドバイス
法人税等は個別ベースで課税されるため、異なる納税主体、すなわち親会社および子会社の繰延税金資産と繰延税金負債は、連結貸借対照表では相殺せずに総額で表示します。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。