暮木孝司
新型コロナが猛威をふるっています。なんとなく感染症の流行はパニックを伴った恐ろしい出来事だと想像していましたが、実際はとても緩やかに、しかし確実に進行していく「静かなパニック」でした。
いつ収束するかの先行きが不透明なだけに学習が手につかない受験生は少なくないでしょう。しかし、やるしかないのです。合格したいのならやるしか途はありません。
新型コロナの学習への影響
新型コロナは実際の学習にどのような影響を与えたのでしょうか。4月上旬にSNS上で2つのアンケートを行いました。1つは、今回の感染症の学習への影響についてであり、もう1つは具体的に何が一番学習に影響を与えたかについてです。
1つ目の学習への影響は、「悪化」約40%、「変化なし」約35%、「改善」約15%、その他でした。「悪化」が多いのは当然として、「改善」が15%あり、「変化なし」を含めると「悪化」よりも多くなっています。
もう1つの具体的な影響は、「学習場所の変化」約40%、「心理的な影響」約30%、「教室講義の廃止」約20%、その他でした。もっとも多かったのは「心理的な影響」ではなく、「学習環境の変化」でした。
アンケートから伺えるのは、大きな影響を受けているものの過半が従来とそれほど変わらずに学習を進めている事実です。実際に学習時間が増えた方もいるようで、環境が変わった、モチベーションが落ちたという理由で学習しなければ、合格が難しいのは明らかです。
効率がアップする自宅学習のヒント
環境変化の中心は自宅への学習場所の変化にあります。
自宅では学習しにくいという方が多いようですが、たとえば自宅での学習には声を出しやすいというメリットもあります。声を出しながら、自分に自分で教える学習、「セルフレクチャー」は理解・記憶の定着にとても有効です。
また、最近流行っているオンライン自習室などを利用するのもいいです。自宅学習でできることを積極的に取り入れていきましょう。あとは適度な運動も忘れずに!
気持ち+努力で乗り切ろう!
まずは気持ちでこの感染症禍を乗り切りましょう! 合格には、あとで笑い飛ばせるだけの現在の努力が不可欠です。あのときは本当につらかったと、あとで笑って言えるようになりたいですね。
できることからコツコツと進めていきましょう! どんなことがあっても、何があってもあきらめてはいけません。あきらめるのは試験が終わってからで十分です。
コロナに負けるな! 受験生!!
〈執筆者紹介〉
暮木 孝司(くれき・たかし)
税理士試験の簿記論と財務諸表論の受験指導をしている税理士(簿・財・法・所・消)。主な著書に『ど素人でもわかる簿記・経理の本』(翔泳社)がある。Twitter(@bokironkousi)で行っている「財表理論補完計画」やブログも好評。