加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
【〇×問題】
株主総会決議により資本金9,000円を減少し、剰余金へ振り替えた。
(借)資本金 9,000
(貸)繰越利益剰余金 9,000
【正解】 ×
資本金から剰余金へ振り替える場合、振替先はその他資本剰余金となり、繰越利益剰余金とすることはできない。
(借)資本金 9,000
(貸)その他資本剰余金 9,000
【根拠となる会計基準】
企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」
資本剰余金と利益剰余金の混同の禁止
19. 資本剰余金の各項目は、利益剰余金の各項目と混同してはならない。したがって、資本剰余金の利益剰余金への振替は原則として認められない。
資本金及び資本準備金の額の減少によって生ずる剰余金 20. 資本金及び資本準備金の額の減少によって生ずる剰余金は、減少の法的効力が発生したとき(会社法(平成17年法律第86号)第447条から第449条)に、その他資本剰余金に計上する。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。