並木秀明
筆記具蒐集について
私の趣味の一つに筆記具蒐集がある。特に、現在の仕事に活かせる筆記具蒐集は、「凝ってよかったなあ」と思っている。楽しく仕事ができるのである。この原稿も、会計人コースの鬼編集部の怖い睨みがなければ、原稿用紙に濃淡の浮かびあがるお気に入りの万年筆で「サラサラサラ」書いていることだろう。受験の答案作成では、税理士試験は「黒又は青のインキ」、公認会計士試験は「ボールペン又は万年筆(いずれも黒インクに限る)」とされている。よく読むと少し相違する。税理士試験は青が使用できるが、公認会計士試験では黒のみである。税理士試験は「インキ」とされ万年筆の使用の可否はふれていないが、公認会計士試験は万年筆を明記して「インク」と称している。税理士試験の「インキ」とは、万年筆を含むという解釈をしてもよいだろう。そういえば、昔は「簿記用万年筆」なるものまで発売されていた。
万年筆について
年末になると活躍するのが筆記具である。年賀ハガキの宛名書きの筆記具選びで3時間はかかる。選んだものにインクが出ないような不調があればさらに倍の時間を要する。そんな過程を楽しむ主義だから仕様がない。この筆記具はもちろん万年筆である。この万年筆は大変やっかいなしろものである(と言いつつ楽しんでいる)。書いた文字の太さの種類も尋常ではない。太さがもっとも細い超極細(UEF)から極細(EF)、細(F)、中字(M)、B(太字)、極太字(BB)などがある。これでも一例である、この太さの違いを手帳、ノート、メモ等に使い分けして楽しんでいる。
ボールペンについて
わたくしは月1本の100円ボールペンを消費しているが、受験生であるあなたはどの程度消費しているだろうか。1ヵ月でインクを使いきることができない読者は勉強不足である。わたくしは、キティちゃんのボールペンから数万円もするボールペンまで買い求めて500本以上はあると思う。1本手にしたとたん勉強をしたくなる不思議な物、それがボールペンである。受験生ならインクがなくなるまで使用する快感を試験日までたくさん味わってみてはどうだろうか。
<執筆者紹介>
並木 秀明(なみき・ひであき)
千葉経済大学短期大学部教授
中央大学商学部会計学科卒業。千葉経済大学短期大学部教授。LEC東京リーガルマインド講師。企業研修講師((株)伊勢丹、(株)JTB、経済産業省など)。青山学院大学専門職大学院会計プロフェッション研究科元助手。主な著書に『はじめての会計基準〈第2版〉』、『日商簿記3級をゆっくりていねいに学ぶ本〈第2版〉』、『簿記論の集中講義30』、『財務諸表論の集中講義30』(いずれも中央経済社)、『世界一わかりやすい財務諸表の授業』(サンマーク出版) などがある。
※ 本稿は、『会計人コース』2019年11月号に掲載した記事を編集部で再編成したものです。
記事一覧
第1回:恋と愛と会計人コース
第2回:生きていくために必要な力
第3回:筆記具蒐集
第4回:勉強の成果
第5回:合格発表から年末年始
第6回:覚える、忘れる、思い出す
第7回:海外旅行でのエピソード
第8回:出会いがもたらしたもの
第9回:タイムマシン
第10回:季節の変わり目
第11回:本試験までの勉強
最終回:試験日までの最終アドバイス