加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
【〇×問題】
第1年度期首に取得した備品(取得価額10,000円、耐用年数10年、残存価額ゼロ、200%定率法)について、第3年度期首より減価償却方法を200%定率法から定額法へ変更した。このとき、第3年度の減価償却費は1,000円である。
【正解】 ×
減価償却方法の変更は、会計上の見積りの変更と同様に処理されるため、第3年度期首現在の帳簿価額を、残存耐用年数にわたり定額法で減価償却を行う。
10年の200%定率法の償却率:
1÷10年×200%=0.2
第3年度期首の帳簿価額:
10,000円×(1-0.2)×(1-0.2)=6,400円
第3年度の減価償却費:
6,400円÷8年=800円
【根拠となる会計基準】
企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」
19. 会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合については、会計上の見積りの変更と同様に取り扱い、遡及適用は行わない。(略) 20. 有形固定資産等の減価償却方法及び無形固定資産の償却方法は、会計方針に該当するが、その変更については前項により取り扱う。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。