
編集部
秋から冬に差し掛かるこの季節、大学受験を控えた高校生はもちろん、その親にとっても、大学や学部選びはもちろん、その後の学習環境・就職について気になることも多いはず。
今回編集部がお邪魔したのは、大学内で完結する独自の会計教育と受験対策で注目されている、中央大学の「経理研究所」。設立70年以上の伝統を持ち、これまでに4,000人近くの公認会計士や税理士合格者を輩出してきた実績があります。
大学内の教育機関のため、知る人ぞ知る「経理研究所」。その魅力はどこにあるのか、そして、現役大学生がそれほど合格できるのはなぜか、編集部員がお話を聞いてきました!
キャンパス内にある最強のダブルスクール
驚異の現役合格率51.1%
中央大学八王子キャンパスにある「炎の塔」。そのなかに、経理研究所(経理研)はあります。中央大学の学生であれば、学部を問わず誰でも通うことができる学内の教育機関です。
就職活動に有利と言われる簿記検定試験や、税理士試験の講座も開講されていますが、特筆すべきは会計系の最難関資格である公認会計士試験の合格率。現役合格率51.1%の実績を誇ります(2023年)。1950年の設立以来、これまでに4,000名近くの合格者を輩出してきました。

大学生活と両立しやすい環境
公認会計士試験に向けた勉強では、大学への通学に加えて専門学校に通う、いわゆるダブルスクールが一般的です。最近ではWeb講義も増えて、専門学校に行かなくても授業が受けられることも増えてきましたが、自習室の利用や模試はどうしても専門学校に行く必要があります。
その点、経理研究所はキャンパス内にあり利便性が高いため、事務室長の小島さんによると、「大学の授業の前後に利用する学生も多い」ようです。
圧倒的コスパ
合格率の高さとともに驚くのが、その費用。
公認会計士試験の勉強開始から合格までおよそ3年かかるとして、大手専門学校では80万円程度とされています。経理研究所には大学から補助が出ているため、6割程度の388,000円~478,000円で受講することができます(価格差は簿記検定の取得状況によります)。
さらに、「成績優秀者には、受講料が返還される制度もある」(小島さん談)よう。ただし、学生スタッフとして後輩の面倒を見たり、経理研究所のお手伝いをしたりする必要はあるみたいですが(もちろん、アルバイト代も出ます♪)。
気になる学習環境は!?
経理研究所の授業はすべてWeb講義。そのため、自分にあったペースでの学習ができ、いつでもどこでも受講できる環境が整っています。先輩合格者のチューターが常駐しているので、わからない点はいつでも質問できます。

経理研究所には、日商簿記2級レベルの入室試験を突破した学生のみが利用できる「上級プラン」があります。上級プランに合格すると各自のロッカーと自習室が与えられます。この自習室がよく考えられていました。

というのも、自習室は指定席で、「日商1級受験用」、「会計士試験短答式用」、「会計士試験論文式用」と部屋が分かれており、その学習段階の近い受講生が同じ部屋になるよう工夫されていました。わからないところを教えあったり、刺激を受けたりしますよね。
また、「学習用」とテキストや問題集などの「荷物置き用」で1人につき2席が利用でき、両隣には誰も座らないよう配慮されていました。


会計系の資格試験の勉強は、電卓を叩いて計算する必要があるのが特徴です。音が出るため、大学の図書館や公的な図書館などでは学習しにくいのが事実。受験生によっては、隣でカタカタと電卓の音がすると気になる方もいると思うので、細やかな配慮に感心しました。

親身になれるのは、みな中大出身だから
今回お話を伺って知ったのが、経理研究所の講師や・スタッフの方は、みなさん中央大学の出身者ということ。中大生に合った勉強方法や大学の授業との両立の仕方、合格ノウハウを伝えられることが、冒頭の驚異的な現役合格率につながっているようです。
今回、経理研究所の各所を案内してくれた事務室長の小島さんも、中大OB。「講師やスタッフがみな中大OBだから、悩みもわかる。リアルな相談にものることができるのが強み」といいます。
また、大学2年生のときに公認会計士試験に合格した山田さん(商学部4年生)も、「経理研の先輩合格者が、いつもそばにいてくれたのが心強かった」と話します。

実は一流企業への就職組も多い
それでも、みんなが合格できるわけではないのが公認会計士試験。どうしても合格できなかったり、途中で自分のやりたいことが変化したりして、一般企業への就職活動に切り替える学生も。
そこで活きるのが資格試験。経理研究所で試験勉強をしていた学生は、その多くが日商簿記2級、1級を保有しているため、一流企業へ内定を得て就職していくケースも少なくないよう。
この会計人コースWebでも、日商簿記検定が就職活動に役立つことや、そもそも会計系の資格は、経理職につかなくても役立つことは何度も紹介してきました。ビジネスの基本である簿記を理解していることは、社会人として評価されますよね。
まとめにかえて―経理研究所の魅力とは!?
大学内で講座が受けられるため、移動時間がゼロ。予備校への交通費も節約できる。さらにWeb授業も展開していてスキマ時間に自分のペースで受講ができる、コスパも高い…。
そのなかで最も魅力を感じたのは、講師・学生スタッフ、OBを含めた経理研究所のチームワークです。みなさん中大OBということで、ただ合格を目指すだけではなく、居心地のよい学習環境をどうやったら提供できるかに力を注いでいるように思いました。
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次の記事では、現役の中央大学4年生で、公認会計士試験合格者の山田さんへのインタビューをお届けします。経理研の雰囲気やご自身の体験談、合格後の過ごし方などをお聞きしましたので、ぜひご覧になってください♪












