BIG4で活躍したい受験生が知っておくべきこと~【マインドセット編】理論暗記は作業と捉えるべからず!
- 2025/10/21
- 仕事術

ZENTA(税理士)
皆さん、こんにちは。税理士のZENTAと申します。こちらで記事を書かせていただくのは久々になりますので少し自己紹介を。
私は令和3(2021)年に税理士試験に官報合格し(合格体験記はこちら)、税理士登録完了の数か月後、いわゆるBig4税理士法人に転職しました。早いもので3年が経ち、今ではマネージャーとして主に法人税務アドバイザリー業務(主に国際税務)に従事しています。
受験生の皆様の中には、税理士試験を突破したらBig4で勤務したい!とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。今回は、Big4で入社後すぐに活躍できるためには何が必要か、試験勉強に影響を与えない範囲で準備できることはあるか、といった観点から、「マインドセット編」「スキルセット編」の2回に分けてお伝えしたいと思います。
今回は、Big4で活躍するために受験生時代から意識しておきたい「マインドセット編」です。
Big4に向いている人
私はBig4の1社しか経験していないのでその中での話になってしまいますが、Big4に向いているな、と思う人のタイプが2つあります。一つは「コミュニケーション能力が高い人」、もう一つは「楽しんで仕事に取り組める人」です。
前者については、Big4は激務で殺伐とした雰囲気で、コミュニケーションどころではないのでは、と思っている方もいるかもしれません。しかし私の部署は意外とそんなことはなく、皆さんしっかりコミュニケーションを取りながら、ときには談笑もしながら、建設的な意見を出し合っています(忙しいのは事実ですが)。Big4は1人で仕事をすることはほとんどなく、チームプレイで助け合いながら、クオリティの高い成果物を出そうというスタンスですので、コミュニケーション能力はとても大事です。コミュニケーションに自信のない方は、普段の仕事で気を付けてみたり、知人や同僚にアドバイスをもらったりするなどしてみてはいかがでしょうか。
後者に関しては…これはBig4に限ったことではないですね。自分の仕事を楽しみながら取り組めている人は、やはり成果物やドラフトのクオリティも高いです。そういったところは人事評価でしっかり反映されますし、人となりも(意外と?)見られています。ミーティングで積極的に発言したり、率先して動いたりできる人は社内評価も高く、昇進も早い傾向にあります。
理論暗記を作業と捉えない
次は普段の理論暗記についてです。税理士試験で最もしんどいこの作業。私も受験生時代は理論暗記を「作業」と考えてしまっていた節がありました。そうしないと、この苦行とも言える理論暗記を何百時間も続けることができなかったからです。皆さんも同じなのではないでしょうか。
それ自体は正しいと思います。でも、Big4で活躍されたいという思いがあるのなら、できるだけ理論暗記を作業と捉えず、事例なども調べながら、どういう場面でこの制度が適用されるのか、この制度が設けられている趣旨は何なのか、というところまで考えながら暗記することを意識してもらいたいです。
Big4では税法を非常に緻密に読み込んで分析・検討を行います。税理士は税法の専門家です。税法分析ができないと、Big4では活躍の場が限られてしまう可能性があるように思います。
例えば、法人税の論点でいうと、組織再編税制の「分割型分割」と「分社型分割」の違い、「株式交換」と「株式移転」の違いを説明できますか?また、外国子会社配当益金不算入の適用を受ける配当はなぜ5%部分のみが課税所得に含まれる取り扱いになっているのでしょうか?
理論暗記だけでも大変なのにそんなことまで手が回らないよ…という声が聞こえてきそうですが、あくまで受験生として主眼を置くべきは試験合格ですので無理をする必要はありません。ただ、精神的・時間的余裕があれば、単なる「暗記」という作業で終わらせるのではなく、将来自分が税理士としてこの制度をクライアントに説明するとしたら・・・という目を持ちながら暗記していくと、頭にも残りますしBig4では必ず役に立つと思います。(私は受験生時代に使っていた理サブを今でもよく見返します)
ちなみに、Big4で国際税務アドバイザリーに従事していると、法人税では「組織再編税制」「外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)」「外国税額控除」「みなし配当」などは頻出論点です。(いずれも試験にはあまり出ないかもしれませんが…)
次回の記事では、Big4で必要となるスキルセットについてお伝えしますので、こちらもぜひ参考にしていただければと思います。
【執筆者紹介】
ZENTA
税理士・大手税理士法人勤務
税理士試験簿記論(2011年)、財務諸表論(2013年)に合格後は、海外赴任などで試験から遠ざかっていたが、2019年1月に勉強を再開。その後、国税徴収法(2019年)、消費税法(2020年)、法人税法(2021年)の税法科目に一発合格。2022年税理士登録。
官報合格後、地方税理士法人から都内の大手税理士法人へ転職し、現在に至る。
・X(旧Twitter)(@ZENTA01089218)









