
【編集部より】
税理士試験まであと少し。本企画では、『税理士試験全11科目のすごい勉強法』の執筆陣からの応援メッセージを掲載します。
riko
はじめに
受験生のみなさん、令和7年税理士試験まで1か月を切り、少しずつ緊張感が高まってきているころではないでしょうか。
私は令和4年に簿記論、財務諸表論、消費税法、令和5年に法人税法、国税徴収法を受験し、官報合格しました。毎年複数科目受験だったこともあり、この時期の緊張感と重圧はかなり大きかったことを、今でも良く覚えています。
試験1年目は特に、緊張で数週間前からまともにご飯が喉を通らなかった記憶があります。試験に落ちる夢も頻繁に見ていました。
みなさんと同じ不安を経験した者として、試験当日に向けて、応援メッセージを送らせていただければと思います。
不安は皆同じ
年に一度しかない税理士試験、不安と緊張は皆同じだと思います。落ちたらまたもう一年、そんなことが頭をよぎり、この時期になると、些細なことで不安になると思います。
積み上げた努力が大きいほど、成果への不安は大きくなるのかもしれません。
未来への不安は、これまでの努力で和らげましょう。薄汚れた理論サブノート、消費したボールペンの数、大量のテキスト、問題集、答練。一年間の努力を振り返って、これまで頑張ってきた自分を認めてあげると、少し自信が湧いてくるかもしれません。
試験直前の学習について
ここまできたら、人と比較することはやめて自分の課題と向き合うのみだと思います。答練や全統で自分の立ち位置と課題がわかったら、今の自分に必要な学習を最後まで諦めずに続けて、1%でも合格可能性を高めることが大事ではないでしょうか。
私は、この時期には、不安要素をなくすような学習を心がけていました。苦手意識のある論点や、直前期まであまり見られていなかった論点を確認し、知識の穴を無くすように努めました。
体調管理について
直前期で一番大事なことは体調管理だと思います。メンタル的な部分も含めて、良い状態で試験当日を迎えられるように、対策をしましょう。
私自身、周りが直前期でラストスパートをかけていく中、夜なかなか寝付けなかったり、体調不良や食欲不振で思うように勉強が進められないこともありました。焦りもありましたが、最後は体調優先で無理なく勉強をするのが私のスタイルだと思って、長時間の勉強はやめて、体調優先で学習を進めていました。張りつめすぎてしまうのも良くないので、あえてYouTubeを見るなどして、気を紛らわしたりもしました。
試験当日について
試験当日は、時間と心に余裕を持てるように行動しました。なるべくいつも通りに問題が解けるように、席に着いたら、ペンや電卓、タイマー、ペットボトルなどを普段と同じ配置にセットして準備します。受験票はテープで固定して試験中邪魔にならないようにします。周りの受験生が気になりますが、気にしても意味がないので、この会場で一番優秀なのは自分だ、くらいの強い気持ちを持って知識の最終確認をして心を落ち着かせます。あとはいつも通りに解くだけです。5科目経験した私の体感ですが、本試験では普段の90%の実力が出せればokだと思います。本試験の緊張感の中で少しペースが乱れて焦ることもあるかもしれませんが、これも皆同じだと思いますので、多少のペースの乱れは想定しておくと良いかもしれません。
最後に
ここまで学習を続けて来られた皆さんが積み重ねてきた努力が、合格という素晴らしい結果に繋がることを心から願っています。
直前期は不安が大きくなりますが、これまでの頑張りを思い出して、少しでも良いイメージを持って学習を進められると良いと思います。
最後まで諦めず、ご自身の力を信じて頑張ってください!応援しています。
【プロフィール】
令和4年(第72回):簿記論・財務諸表論・消費税法 受験 ⇒合格
令和5年(第73回):法人税法・国税徴収法 受験 ⇒合格
簿記未経験の状態で大学2年生の9月から税理士試験の勉強を始め、大学3年生、大学4年生の2年で官報合格。大学卒業後は税理士法人に勤務し、申告業務等に日々奮闘中。
著書に、『税理士試験全11科目のすごい勉強法』(共著、中央経済社)がある。