夏休み直前!旅行業出身、中米で誘拐されたグローバル社労士が語る海外旅行の安全対策 第2回 現地での実践的安全対策
- 2025/7/22
- コラム

田邊良学(社労士)
安全対策は日本の空港から
海外の安全対策は空港から始まっています。現地空港での両替は犯罪者に付け狙われるリスクがあるため、最低限の現地通貨は日本の空港で両替しておきます(なるべく少額な紙幣を多めに両替)。
スーツケースを預ける際は、2本のベルトで巻き付けます。海外では空港職員が荷物を開けて盗む手口があります。2重にベルトで封印することで盗難対策をしている開けにくいカバンであることをアピールでき、あなたのカバンが第一のターゲットとならず、守れる確率が上がります。

手荷物と預け入れ荷物
海外の飛行機は遅延、欠航等がよくあります。空港で一泊することを余儀なくされることもありますので、手荷物で1泊すごせる最低限の荷物は持っておきましょう。常備薬などは必ず手荷物にしてください。最近注意が必要なのは、ワイヤレスイヤホン(リチウムイオン電池は預入禁止)は預け入れ禁止になっています。持ち込み注意なのが電子タバコ。完全に禁止している国も多くなっています。荷物に関しては航空会社、渡航先の条件は事前にチェックしてください。

出典:政府広報オンラインhttps://images.app.goo.gl/3xr4QwFkh1sMvfzPA
【最新情報】
国土交通省の通達により2025年7月8日から、機内におけるモバイルバッテリーの発煙・発火等への対応が強化され、モバイルバッテリーは機内の収納棚に入れずに、常に状態が確認できる場所に置くように変更されています。
※外国航空会社に搭乗する場合には、各航空会社の指示に従ってください。

出典:国土交通省報道発表資料https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001897567.pdf
航空機内の盗難に注意
「密室の機内で盗難なんてあり得ない」と思うかもしれませんが、犯人からみると、機内は盗難し放題の環境です。頭上の荷物入れは死角となり、荷物を開けて中の貴重品を盗まれかねません。パスポート、現金等の貴重品はトイレに行くときも常に手元に置き、睡眠時も肌身離さず管理してください。荷物を上の棚に入れる場合は、斜め前の棚にしまうと自分の視野に入るので、牽制効果があり盗難リスクが減ります。
到着直後の“魔の時間帯”に注意
現地の空港に着いたら一安心でほっとしますね。しかしここは、犯人からみると絶好の猟場です。長時間フライトで疲労し時差ボケした旅行者は、ハイエナの前を隙だらけで歩く弱った獲物状態なのです。
入国手続き
最近は入国手続きが電子化でペーパーレスになっている国が増えています。スマホがあれば、短時間で入国できるため体力をセーブできます。スマホがないと長蛇の列に並ぶことになり、疲労も増してリスク対応力がさがってしまいます。
ターンテーブルでの荷物ピックアップ
荷物のピックアップ時も盗難に注意してください。あなたより先に荷物を持って逃げる手口があります。対策は、カバンの色を派手にする、目立つシールを張るのも有効です。2重のベルトを巻くだけでも目立つため効果的です。
偽の出迎えに要注意
「○○商事の田辺様」「○△ツーリスト ご一行様」と、ウエルカムボードに旅行会社のツアー名、自分の名前、勤務先名があっても、すぐに信用してはいけません。偽の出迎えにつかまると短期誘拐(Express Kidnapping)の危険があります。
手口は、本物の送迎より前に、偽の迎えが本物のボードを完全コピーして待機していることです。対策は、本人確認を求めましょう。事前手配したドライバーの場合は合言葉を決めておくと安心です。

ホテルまでの移動
ぼったくりドライバーに注意してください。対策は日本から事前に手配しておくことです。現地で選ぶなら、呼び込みするドライバーは無視し、空港専用タクシー乗り場から必ず乗ってください。
ホテル滞在編
チェックイン時の注意点
ホテルのロビーも外と同じく危険です。犯罪者が自由に出入りしています。チェックインする段階で荷物を盗まれる人が多いのです。ホテルでは部屋に入るまで荷物から目を離さず、エレベーター、廊下で不審者に注意してください。部屋に荷物をおいたら、必ず避難経路を確認しておきます。海外は高級ホテルでも、日本の防火基準に満たないところも多くあるので特に注意が必要です。
客室での安全対策
部屋に滞在中でも事件は発生します。客室への不審者侵入があり、対策としてドアストッパーが効果的です。海外のホテルは引き戸になっています。部屋の内側から、ドアストッパーを差し込んでおくと、鍵をあけて侵入してくる犯人にたいしての防御となります。ドアを開けようとしても、簡単に開かないとなると、犯罪者は、防犯対策をしている面倒な部屋には、あえて侵入を継続しようとしません、他の部屋にターゲットを変えてくれます。100均ショップ等で、ドアストッパーを購入しておきましょう。
【質問】
「あなたは、Please Make Up Room のタグをドアにかけますか?」
これは部屋の掃除を依頼するための札ですが、明らかに不在とわかる表示ですので、安全面からは利用しない方が無難です。
逆に、不在時も「起こさないでください」のメッセージとなるDo Not Disturb、のタグをかけておけば、部屋にいると思わせられるので、安全面からはかけておくとよいでしょう。

裏技ですが、部屋の電源にカードキーをさすタイプの部屋ならば、名刺サイズの紙を差し込んでおけば、カードキーを抜いても、電源が入ったままとなります
それを利用してテレビのつけっぱなしにしておくと、音をだしたままにでき、在室を装えます。
街歩き編
現地の「空気」を読む
街の雰囲気が急に変わったら要注意です。人通りが急に少なくなった、警察官が多い等があれば、危険の前兆です。現地の人々の表情や行動を観察し、違和感を覚えたらその場を離れましょう。
貴重品の管理方法
荷物はひったくり対策として、必ず道路側と反対に持ち、肩からかけておきます。現地の人が、皆リュックサック、カバンを前に抱えているエリアはスリが多い証拠です。
スリ対策は、リュックサックやカバンは前に持ちます。観光用バス等にのる際は、前や後ろに持っていても、カッターでカバンを切り、抜き取る荒手なスリがいますので、カバンは手に持ち一番下に下げてください。
一度狙われたら、逃げられないので、狙われる優先順位を下げる、グレーマンになることが安全対策になるということです。
古典手口に注意
典型的な路上犯罪に注意してください。
「ケチャップ強盗、ワイン強盗をご存知でしょうか?」これらには犯人の狙いに「注意をそらす」と言う共通点があります。ケッチャプ強盗は、旅行者にケチャップをかけて、注意をそらしたすきに、スリを働きます。ワイン強盗はわざと旅行者にぶつかり、ワインボトルを割ることで、相手が動転した隙にスリを行うという手口です。


似た方法として、レストランや通りで花を押し売りし、旅行者が対応に困っている隙に財布をとる手口もあります。老人や子供を使って、相手に安心させてスリを働く、という手口も存在します。例えば、犯罪グループに加担する老人が旅行者の目の前で倒れ、それを助けようとした隙を狙う、といった類のものです。
海外ではどんなときも注意を怠らないことが大原則です。
最近はスマホの盗難が多発しています。
スマホが盗まれやすい場所は、路上、レストランの机の上、さらに、電車の出入り口付近の座席。
これは、犯人が、ドアが閉まる寸前にスマホを強奪して、外に逃げる、スマホアタックの手口です。スマホは海外では高級品です。「歩き携帯」は「高額紙幣を見せびらかして歩いている」のと同じです。「歩き”警戒”」で常に後ろに目をつける感覚で、周囲の変化を察知できる状態を保ちましょう。
タクシー利用の鉄則
流しのタクシーは避け、ホテルで呼んでもらうのが安心です。乗車前に運転手の身分証明書を確認し、メーター使用を確認してください。遠回りされていないか、スマホを隠しながらGPSで確認しましょう。支払いの際は、財布を出すと危険です。おつりをごまかすドライバーも多いので、あらかじめポケットにジャストの金額を入れておいてください。
健康管理編
水と生ものに注意
水道水は飲まないと思いますが、氷、生野菜、カットフルーツ、生ものに注意しましょう。歯磨きも煮沸水かミネラルウォーターを使用してください。現地の高級レストランも同様に注意が必要です。日本基準の安全衛生対策はないと思ってください。
感染症に注意
人間を死に追いやる頻度の高い生き物のランキングです
【質問】
「第1位2位はどんな生き物かお分かりになりますか?」
ヒントは、ライオンでもサメでもワニでもなく、夏になるとたくさん現れるあの生き物です。
人間の何百万倍も小さいあの生き物によって、世界全体で毎年72万5千人もの人間が命を落としているというデータがあります(出典:2014年4月ビル&メリンダゲイツ財団報告書『World’s Deadliest Animals』)。
【答え】
ダントツのワースト1位は、蚊です。マラリアなどの感染症を媒介して人を殺すのです。2位は残念なことに、同じ人間なのです。各地で戦争が勃発している昨今では、1位と2位が逆転する可能性もゼロではありませんね。
熱帯地域への渡航は蚊の対策として、長袖の服を着る、虫よけグッズを利用する(現地の蚊よけスプレーを使う場合は、高濃度のものがあり効果が高い反面、肌には強すぎる場合もあるので注意。その場合は服の上から噴射する方法もあります。)、ホテルの窓は開けない、などの、基本の対策を徹底してください。
旅行中で恐ろしいものとして、狂犬病があげられます。日本では狂犬病は、ほぼ根絶されましたが、世界全体では年間5万人以上が狂犬病に感染し、発症したら確実に死亡する恐ろしい病気です。盲点は、犬だけでなく、リスなど他の哺乳動物からも狂犬病に感染する可能性がありますので、かわいいからとはいえ、動物との接触にはくれぐれも注意してください。
緊急事態編
テロリスト対策
「あなたなら、どうしますか?」
“手を上げる”これは危険な行為となります。
強盗への対応は抵抗しないことですが、無差別テロへの対応はイギリス式の「RUN(逃げる)→HIDE(隠れる)→TELL(助けを求める)」です。テロリストの多くは敵を抹殺することで神に召されると考えているため、手を上げたら、獲物が銃の前で止まってくれた格好のターゲットとなるだけです。
実践的海外安全対策のまとめ
海外で最初に自分の身を守れるのは、あなた自身です。正しい情報を知り、対策を学ぶことで、相手の手口を事前に知ることで注意力があがり、危険を察知できるようになります。常にリスクにあわない行動を心がけて、セルフディフェンス力を高めましょう。
軽微な何かが起こったり、危険の予兆があれば、一人で抱え込まず、保険会社のトラベルサポートを利用して状況を確認したり、自宅や会社に連絡をするなどして、相談をしてください、事象の内容によっては大使館への連絡も考えてください。
最後に:「笑顔で帰る」ことを最優先
海外渡航は、異文化に触れ、自分の価値観が揺さぶられ、未知の経験を通して人として大きく成長できる貴重なチャンスです。
しかし、その素晴らしい体験も安全が確保されてこそです。
何よりも大切なのは、「無事に、笑顔で帰国すること」。財布を盗まれても、スマホを奪われても、替えは利きます。しかし、あなたの命は一つしかありません。
そこで大切なのが、「心構え」です。
「恥ずかしい」を捨てる:
困ったときに助けを求めること、わからないことを尋ねることは決して恥ずかしいことではありません。自分の身を守るための立派な判断です。
「もったいない」と思わない:
「せっかく来たから」「高いお金を払ったから」と、危険な状況を感じても観光や仕事を続けるような無理な行動をするのはやめましょう。命あっての思い出です。
危険を感じたら、迷わず安全な場所に避難してください。
予定していた観光や仕事を中止しても、無事に帰国できれば、それも含めてあなたの旅のサクセスストーリーとなります。
海外旅行は、あなた自身の可能性を広げる舞台です。その素晴らしい体験を、実りあるものにするためにも、事前の安全対策と心構えを忘れずに。
どうか皆さまが、笑顔で旅を終え、また次の異文化体験へとつなげていかれることを、心より願っています。
海外旅行安全対策チェックリスト
海外旅行 荷物準備リスト
海外旅行を安全で快適にするための荷物準備リストです。 忘れ物がないように、出発前にしっかり確認しましょう。
1. 貴重品・重要書類(機内持ち込み推奨)
- パスポート: 残存有効期間と査証(ビザ)の有無を確認
- 航空券・Eチケット控え: 印刷したものとデータ両方
- 海外旅行保険証: 緊急連絡先も控えておく
- 現金: 現地通貨と少額の日本円
- クレジットカード: 複数枚(ブランド違いで)
- 運転免許証: 国際免許証が必要な場合は取得
- ホテルの予約確認書: 印刷したものとデータ両方
- 緊急連絡先リスト: 家族、勤務先、領事館、宿泊先、カード会社、保険会社など。スマホと紙の両方に記録
- パスポートのコピー(紛失時の身分証明の一助)
- 証明写真: 予備(パスポートの紛失時に備えて)
- 筆記用具: 入国書類記入などに
- スマホ・充電器・モバイルバッテリー: 生命線となる通信手段
- 変換プラグ・変圧器: 渡航先の電圧・コンセント形状を確認
- 常備薬・英文処方箋: 普段服用している薬は多めに
- 眼鏡・コンタクトレンズ: 予備も忘れずに
2. 防犯対策
- 腹巻きタイプ/足に巻くタイプの貴重品入れ
- 南京錠と金属のロープ(荷物固定用)
- スーツケースベルト(2本): 荷物の防犯対策
- ダミーの財布と、有効期限が切れたカード(強盗対策)
- ドアストッパー(ホテル滞在時の防犯対策)
3. 日用品(衣類等)
- 普段着(シャツ、ボトムス等): 現地の気候に合わせて、動きやすい服
- 下着・靴下: 滞在日数分+予備
- パジャマ: ホテル用
- 羽織るもの: 機内や冷房対策、日焼け対策に(暑い国でもホテルの冷房が強くてキンキンに冷えている場合があるので要注意)
- 折りたたみ傘: 急な雨対策
- 水着: リゾート地へ行く場合
- 帽子・サングラス: 日差し対策
- 歩きやすい靴: 観光に最適
- サンダル: ホテル内やリラックス用に
- (出張の場合)グローバルスーツ: シークレットポケット付き、速乾性のあるもの
4. 洗面用具・衛生用品
- 歯ブラシ・歯磨き粉
- シャンプー・リンス・ボディソープ: 旅行用ミニボトルや固形タイプが便利
- 洗顔料・化粧品
- 保湿剤: 乾燥対策
- 日焼け止め
- シェーバー
- ヘアブラシ
- 生理用品: 女性の場合
- ウェットティッシュ・除菌シート
- マスク
- ハンドソープ
- アルコール消毒(コロナに有効な濃度70%以上)
- 虫よけスプレー: 特に熱帯地域へ行く場合
- 爪切り
5. その他(あると便利なもの)
- S字フック: バスルームなどで荷物を掛けるのに便利
- 洗濯ネット・携帯用洗剤: 簡単な洗濯に
- エコバッグ: 買い物やサブバッグに
- ネックピロー、アイマスク、耳栓: 機内や移動中の快適グッズ
- ガイドブック: 市販本や、オフラインでも使えるもの
- カメラ・予備バッテリー
- ジップロック: 小物の整理や濡れたものを入れるのに便利
- ゴルフボール: マッサージ用、バスタブに栓がない宿があるので栓の代替品にする
- 日本手ぬぐい: コンパクトで乾きやすくて便利(首回りの日よけ、ナプキン代等で活用。出会った人へのお土産にもなり、円滑なコミュニケーションは身を助けます。)
6. 機内持ち込み手荷物(1泊分想定)
- パスポート、航空券、保険証など重要書類
- 現金、クレジットカード
- スマホ、充電器、モバイルバッテリー
- 常備薬、英文処方箋
- 洗面用具のミニボトル: 液体物の機内持ち込み制限に注意
- 着替え1日分: 下着、Tシャツなど
- 羽織るもの
- ネックピロー、アイマスク、耳栓
このリストを参考に、ご自身の旅行スタイルや渡航先に合わせて調整してください。安全で楽しい海外旅行になりますように!
安全対策チェックリスト
【出発前】安全な旅の土台作り
必須の準備
- 海外旅行傷害保険への加入: クレジットカード付帯保険では不十分な場合が多いです。キャッシュレス治療サービス付きの専用保険に必ず加入しましょう。
- 外務省「たびレジ」への登録: 現地の危険情報や緊急連絡を受け取れる無料サービス。出発2週間前には登録し、毎日情報を確認しましょう。
- 緊急連絡先リストの作成: 家族、勤務先、領事館、宿泊先、カード会社、保険会社などの連絡先をスマホと紙の両方に記録。
- 渡航判断基準の確認: 「もし危険を感じたらどうするか」の判断基準(旅行なら延期・早期帰国、出張なら会社のルール確認)を事前に決めておく。
- 通信手段の確保: 海外で使える携帯電話(eSIMなど)、Wi-Fiルーターなどを準備。
健康対策
- 渡航先の感染症情報の確認: 厚生労働省検疫所「FORTH」やアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の情報をチェック。
- 常備薬の準備: 普段服用している薬は多めに持参し、英文処方箋も準備しておくと安心。
- 蚊対策: 熱帯地域への渡航では、長袖の服、虫よけグッズ、ホテルの窓は開けないなど対策を徹底。
防犯・持ち物
- 「グレーマン」を意識した服装: 目立たず、現地に溶け込む服装を選ぶ。
- 貴重品の管理方法の確認: 腹巻きタイプや足に巻くタイプの貴重品入れがおすすめ。
- 安否確認対策: スマホに位置情報確認アプリを導入し、家族と共有を検討。
- ドアストッパー: 100円ショップ等で購入できる簡易なものでOK。ホテル滞在時の客室侵入防止に非常に有効。
- スーツケースベルト2本: 預け入れ荷物の盗難対策として、開けにくさをアピール。
実践的な安全行動
空港~ホテルへの移動
- 手荷物と預け入れ荷物の再確認: 預け入れ禁止品(ワイヤレスイヤホン、電子タバコなど)の確認と、手荷物に1泊分の最低限の荷物(常備薬など)を入れておく。
- 航空機内での貴重品管理: パスポートや現金は常に肌身離さず管理。荷物を上の棚に入れる際は、自分の視野に入る位置に置く。
- 到着直後の「魔の時間帯」対策: 疲労や時差ボケで注意力が散漫になりやすい時間帯に特に警戒。
- 入国手続きの効率化: スマホで電子化されている手続きがあれば活用し、体力を温存。
- 荷物ピックアップ時の盗難対策: カバンの色を派手にする、目立つシールを貼る、二重ベルトで目立たせる。
- 偽の出迎えに注意: ウエルカムボードがあっても、合言葉や本人確認を徹底。
- ホテルまでの移動: 事前手配が安心。現地で選ぶ場合は、呼び込みドライバーは無視し、空港専用タクシー乗り場から乗る。
ホテル滞在
- チェックイン時の注意: ロビーも危険地帯と認識し、部屋に入るまで荷物から目を離さない。
- 避難経路の確認: 部屋に入ったら、必ず避難経路を確認。
- 客室での防犯対策: ドアストッパーを使用。「Do Not Disturb」タグを活用し、不在時も在室を装う。テレビのつけっぱなしで音を出す裏技も有効。
街歩き・観光
- 現地の「空気」を読む: 人通りや警察官の数、現地の人々の表情から危険の兆候を察知し、違和感を覚えたらすぐにその場を離れる。
- 貴重品の管理: ひったくり対策として、荷物は必ず道路側と反対に持ち、肩からかける。スリが多い場所ではリュックやカバンを前に抱える。
- 見せ金を準備(ダミーの財布に100ドル程度)
- 古典手口(ケチャップ強盗、ワイン強盗など)への警戒: 注意をそらす手口に騙されないよう常に警戒心を持つ。
- スマホ盗難対策: 「歩き携帯」はNG。「歩き”警戒”」で常に周囲を意識し、警戒心を怠らない。
- タクシー利用の鉄則: 流しのタクシーは避け、ホテルで呼んでもらう。身分証明書確認、メーター使用確認、GPSでの遠回り確認、ジャストの金額を準備。
健康管理
- 水と生ものに注意: 水道水、氷、生野菜、カットフルーツ、生ものには注意。歯磨きもミネラルウォーターを使用。
- 感染症、狂犬病への注意: コロナに注意、犬だけでなくリスなどの哺乳動物との接触も避ける。
緊急事態発生時
- テロリスト対策: 「RUN(逃げる)→HIDE(隠れる)→TELL(助けを求める)」を意識しておく。
【プロフィール】
田邊良学(たなべ・りょうがく)
ホワイトドア社会保険労務士事務所代表
社会保険労務士/事業創造コンサルタント
危機管理コンサルタント/海外安全・危機管理責任者(日外協認定)
NPO法人東京都防災士会理事
海外渡航歴30か国超、五大陸制覇。大手旅行会社在職中に、中米で誘拐され九死に一生を得た体験を基に海外危機管理事業を立ち上げるなど、リスクマネジメントに取り組む。現在は、ITと法律に強いグローバル社労士として中小企業のための人的資本経営を推進するなど、コンサルティングや企業研修により企業価値の向上を支援している。
https://ryogaku.com/