
【編集部より】
税理士試験直前期にどう過ごすか。独学と通信で税理士試験全科目に一発合格(簿財消法相)し、格闘2024年DEEPで総合格闘技プロデビューを果たし、連勝中の格闘家税理士ボザイさんにアドバイスをいただきました。
第1回:合格を掴むためのメンタルの整え方
第2回:直前期に向けての食事の管理
第3回:夏場に2時間戦える体の作り方
はじめに
税理士試験の直前期。
1分1秒でも多く勉強時間を確保したいこの時期、皆さんは食事の時間をどのように管理していますか?「たかが食事」と侮ってはいけません。
食事の管理は、学習効率の維持、そして試験当日のコンディションを左右する重要な戦略の一つです。
今回は、私が実践していた「直前期の食事管理術」を3つのポイントに絞ってご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
時短!洗い物は「しない」という選択
直前期において、最も避けたいのが勉強以外の時間です。
特に、毎日の食事の準備や後片付けにかかる時間は、積み重なると意外と負担になります。そこで私は食事の片付けについては食器を紙皿にしたり、箸は割りばしに切り替えたりすることで時間や精神的負担を軽減していました。
この方法のメリットは、食後の洗い物の時間がゼロになること、なにより楽なことです。
税理士試験の直前期は考えること、やらなければいけないことがたくさんあります。
その状況でやるべきことをひとつでも減らすことは重要です。たかが洗い物かもしれませんが、それがなくなることのメリットは少なくないと考えます。
時間の面でも1日3回、仮に1回の洗い物に5分かかっていたとすれば、それだけで毎日15分の時間を捻出できます。
この15分があれば、理論の復習を数題、苦手な計算問題を一問解くことができます。
もちろん、コストはかかりますし、エコではありません。
しかし、「合格」という目標を達成するため、期間限定の「必要経費」と割り切ることで精神的な負担が減り、すぐに勉強に戻れるメリットは、想像以上に大きいものでした。
コンビニやスーパーの弁当にしてしまうという手もありますが、後からご紹介する体型管理の面からすべてをこれらに置き換えることはしていませんでした。
「だらだら」防止!食事は立って済ませる
「さて、ご飯にしよう」と一度椅子に座ってしまうと、思った以上に時間を費やしてしまうことはありませんか?
テレビをつけたり、スマホを眺めたりしているうちにあっという間に15分、30分過ぎてしまうこともあると思います。
そうならないために私は食事をあえて立って済ませるようにしていました(行儀の悪い話かもしれませんが、独り暮らしで誰にも見られないからできたのかもしれません)。7
立って食事をすると、食べ終わった後次の行動にスムーズに移ることができます。
食事を素早く済ませ、「さあ、次へ行こう」と気持ちを切り替えやすくなります。
食事はあくまでエネルギー補給の時間と割り切り、だらだらと休憩してしまうのを物理的に防ぐための工夫をしていました。
心身のコンディション維持のための体型管理
直前期は運動不足になりがちで、ストレスからつい食べ過ぎてしまうこともあります。
しかし、体重が増えることは、単に身体的な問題だけではないと私は考えていました。
「太ると、体だけでなく心もだらしなくなってしまう」
これは私の個人的な感覚ですが、体重が増えて体形がだらしなくなると、生活面までだらしなくなる傾向にありました。
そのため日々の食事ではカロリーにも気を配り、揚げ物やスナック菓子を頻繁に食べることは避け、野菜やタンパク質中心のメニューを心がけていました。
ただし、この点については個人差が大きいことをご理解ください。
食事をすることが何よりのストレス解消法であり、それが学習意欲につながるという方もいらっしゃると思います。
体重が増加しても自身のリズムやスケジュール管理に影響を及ぼさない方もいるかもしれません。あくまで「自分はこういうタイプだから、こう管理していた」という一例として捉えていただき、ご自身にとって心身のバランスが最も取れる方法を見つけることが大切だと思います。
まとめ
ご紹介した方法は、あくまで私個人の経験に基づいたものです。
重要なのは「試験合格」という最終目標から逆算し、食事の時間すらも戦略的に管理するという意識です。
紙皿を使う、立って食べる、カロリーを管理する。
これらはすべて、限られた時間の中でパフォーマンスを最大化するための工夫でした。
試験本番まで残りわずか。皆さんもご自身に合った食事の管理法を見つけ、万全のコンディションで合格を勝ち取ってください。
<執筆者紹介>
ボザイ
学生時代はスポーツ一直線で20代は営業職のサラリーマンとしてキャリアを築く。30代に入ってから、資格の勉強をしようと考え独学で簿記の勉強を始める。簿記の勉強を進めていくうちにその面白さに気づき、経理、会計業界に転職することを夢見る。はじめての日商簿記1級受験で合格し、その合格をきっかけに事業会社経理、会計事務所とキャリアを積み、令和5年に働きながら4年で税理士試験官報合格を達成。現在は税理士法人に勤務。
著書に、『税理士試験11科目のすごい勉強法』(共著、中央経済社)。