会計事務所QUEST~4月の章~大型新人がやってきた!


確定申告、お疲れ様でした。
会計事務所の書き入れ時とはいえ、毎年この時期は無意識のうちに無理をしがち。
確定申告期限が終わったと同時に体調を崩す人も多いです。
5月申告に備えて、いったんゆっくり休むことも大切ですよね。

さて、今月のテーマは、「新人教育」です。

新卒採用をしている事務所であれば、4月に新人が入所してきます。
会計事務所にやってくる新人のバックグラウンドはじつに様々…新卒、他業種からの参入、ベテランの経験者。
年齢もばらばらですし、経験値も個々に違うでしょう。

今回は、「未経験者の新人」に絞って、少しお話したいと思います。

1.会計事務所に繋がる人たちを教えよう

会計事務所未経験である新人は、会計・税務の知識よりもまず、会計事務所に繋がる人たち(同僚、組織図、主要な顧問先など)を覚えてもらうことが大事かと思います。
なぜなら会計事務所は、そのほとんどが中小規模。会計事務所の雰囲気は所長を始めとする人間関係が大きく影響しているからです。
仕事を円滑に覚えてもらうためにも、事務所内の人間関係やルールを早めに教えて、所内の雰囲気に慣れてもらうようにしましょう。
たとえば、積極的に仲良くなる雰囲気の事務所の場合は、次のようなことをしています。

・所内の連絡ツール(ChatWorkやSlackなど)に参加させて、所内のやりとりを見てもらう(同僚の名前を覚えたり、文面から人柄を知るのに効果的です)
・歓迎会と称したランチや飲み会、また定期的にイベントを企画する(お酒の強要はNGです)
・同じ趣味の人たちのグループを作る(これも強要はNGです)

これとはまた別の雰囲気の事務所(リモートワークが主流など)は、それにあった歓迎の仕方をするとよいでしょう。

2.資格試験の授業では教えてくれないことを教えよう

簿記検定や税理士試験の授業では教えてくれないことって、結構多いものです。
法人税法を勉強していた経験があっても、法人税申告書一式を実際に見れば、知らない書類があるはずです。それは、たとえば次のようなものです。

・勘定科目内訳明細書
・法人事業概況説明書
・税務代理権限証書

このような書類を知らない新人は、初めてみる書類を前に、きっと新鮮に思うことでしょう。
これらの書類を何度も作成した経験から、思うところを親切に教えてあげると、好印象をもっていただけるかもしれません。

さいごに

未経験者でも1年目でたくさんの顧問先をもたせ、チカラワザで育てる時代は終わりつつあると思います。
外回りや担当をもつのは早くとも2年目以降からと考え、ゆっくりあせらずに育てていくのが大事ではないでしょうか。

新人のみなさんの可能性は無限大です。
良いところを褒めて伸ばして、楽しい仲間になってくれるとよいですね!

<著者紹介>
定岡 佳代(さだおか かよ)

税理士
兵庫県出身。1980年生まれ。神戸大学工学部建設学科、神戸大学大学院自然科学研究科(土木工学)修了。
関西で技術職に就くも、結婚・出産・上京を機に専業主婦に。次男の妊娠中に簿記の勉強を始め、日商簿記3級・2級に独学で合格。そこから税理士試験に挑戦し、パート勤務、大学院通学と並行しながら3科目合格。立教大学大学院経済学研究科を2020年3月に修了。2021年4月、税理士登録。
硬式野球男子2人の母。「税理士を目指すママ」コミュニティで知り合った友人のママ税理士4人で、セミナーや対談など活動をしている。都内の税理士事務所、税理士法人で約10年の修行を経て、2023年8月に独立開業。「お客様はピッチャー、私はキャッチャー。どんな球でも受け止める。」をモットーに、お客様との対話を大切にしている。


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