【税理士合格体験記】メンタル不調による休職を機にチャレンジ!  勘定科目を「U手」「KK」と略して簿記論を攻略


ヤマちゃん
(会社員、33歳)

<受験情報>
・合格科目:簿記論(2023年)
学習スタイル:TAC(通学講座と通信講座を併用)
▶トップ画像は愛用していた勉強道具(本人提供)

メンタル不調による休職をきっかけに税理士を目指す

私は新卒で一般企業に就職しました。
完全週休2日制で給与水準も平均以上、ワークライフバランスがしっかりしていて定年まで勤めあげることに何ら疑問を抱いていませんでした。

しかしながら出張が多い仕事だったせいか、気付かないうちに体への負担が積み重なり、社会人4年目の頃、うつ病の診断を受けて半年近くの休職を経験しました。
休養期間を経て職場に復帰できたものの、周りからの視線が気になり仕事に集中ができず、さらにその後もうつ病が再発して再び休職をすることになりました。

休職期間中、「この先もこの会社で働いていけるのだろうか?」「いつ仕事をクビになるか分からない」という不安が常に頭の中にあり、不安を払拭するために「この先、何があっても食いっぱぐれず、働き先も見つかる国家資格を取得したい」という思いが徐々に生まれてきました。

社会人でも働きながら取得することができ、かつ元々計算や数字を扱うことが好きだったこともあって、これまで縁のなかった会計業界に興味を持ち、その中で「税理士」の資格を目指すことにしました。

簿記3級からのスタート

税理士試験に挑戦するにあたり、簿記の知識が必要だと考え2021年7月から簿記3級の勉強を始めました。

2021年9月に簿記3級、2022年3月に簿記2級を取得し、2022年8月より簿記論の勉強をスタートすることになるのですが、簿記3級、簿記2級の勉強に使用していたのがTACの『スッキリわかるシリーズ』であり、内容がとても分かりやすかったため税理士試験もTACのお世話になることを決めました。

ゴール(合格)までの道のりは大学受験と同じ

「上位30%以内が合格ラインの目安」と言われる予備校のテストで、最初は平均点以下からのスタートでした。
自分の実力不足(というよりも周りの受験生のレベルの高さ)を痛感する日々でしたが、決して悲観することはありませんでした。

それは高校時代の経験があったからです。

7月のインターハイ予選が終わって部活を引退してから本格的に大学受験の勉強が始まりましたが、当時も最初はE判定(合格確率20%以下)からのスタートでした。
しかし、そこから「インプット<アウトプット」重視の勉強に取り組んだことで、3月に志望校合格を勝ち取ることができました。

そして、ここまでのプロセスは税理士試験でも共通していると思います。
「コツコツと継続すれば試験直前で爆発的に伸びる」
税理士試験も大学受験もゴールまでのプロセスは同じでした。

アウトプット重視の勉強

私の勉強は「とにかくアウトプットに時間を割く」です。
もちろんアウトプットするための基礎となるインプットの時間(主に予備校の講義の時間)はある程度必要になりますが、講義を受けたら基礎が固まるまで、ひたすらトレーニングテキスト、各種テストを繰り返し解き直しました。

私は「簿記論はスポーツに似ている」と感じます。
どんな問題が出題されようとも基本となる仕訳や考え方、必要となる情報は大きく違いません。

問題が出題された時に必要となる仕訳や情報、解答までの道のりが瞬時に頭の中に思い浮かび、反射的に手が動くようになるまで繰り返し問題を解きました。

たとえば「資産除去債務」が問われている時に

【必要な情報】

除去費用、割引率(現価係数は与えられているか?)、耐用年数

【必要な仕訳】

有形固定資産××/資産除去債務××

減価償却費××/減価償却累計額××

利息費用××/資産除去債務××

といった形で、問題文を読みながら頭の中で解答をイメージしていました。

テキストおよび各種テストの活用方法

私は予備校で配布・実施されるトレーニングテキストと各種テストのみ利用しました。

様々な問題を解くために他社の市販の問題集に手を出したくなる気持ちもありましたが、予備校の問題自体が非常に質の良いものであるため、配布されるテキストをしっかりマスターすることで試験に対応する力は十分に養うことができるかと思います。

テストとトレーニングテキストの活用方法は以下の通りです。

  1. テストを解き直す(制限時間で解く)
  2. 間違えた論点を書き出す(メモ帳に書く程度で、Excelなどを使ってデータ化はしていません)
  3. 間違えた論点のトレーニングテキストを解き直す
  4. 1ヵ月後に再び同じテストを解き直す

この1~4を本試験直前まで繰り返していました。

サイクルを回した回数は以下の通りです。

・実力テスト(9~12月にかけて実施されるテスト計4回)は各2回
・上級演習(1~4月にかけて実施されるテスト計10回)は各7回
・実力完成答練(5~7月にかけて実施されるテスト計6回)は各3~4回

今振り返ると基礎期(9~12月)にもっと復習をしていれば後々苦労しなかったのかな…と感じます。

各論点を網羅したテストになっているので、本番を迎える頃には「苦手な論点がない」「解答に時間のかかる問題の判別ができる」という状態まで仕上がっていました。

素早く仕訳を切るために勘定科目を簡略化

簿記論は時間との戦いです。
1つ1つの仕訳をいかに素早く切って時間的な余裕を作るかが重要となってきます。
私は自分で判別でき、集計作業でも間違わないような勘定科目の略語を取り入れました。

たとえば

受取手形→U手
売掛金→UK
支払手形→S手
買掛金→KK
有価証券利息→有R
受取利息→UR
支払利息→SR
減価償却費→Dep

といった形です。

1つ1つの仕訳で短縮できる時間は数秒だとしても、トータルで考えると数分は時間の余裕を生み出しているのではないかと思います。

簿記論勉強中の方へ

答練や模試などで思うような結果が出なくても決して悲観的にならないでください。

税理士試験は試験前日まで成績が伸びる試験です。

基礎を固めて、苦手を知り、苦手を克服する。日々の積み重ねが本番にとてつもない力を発揮します。

「最後まで諦めない」という強い気持ちを持って、試験本番まで走り抜けてください!

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