ニケ
(20代・明治大学専門職大学院会計専門職研究科2年)
<受験情報>
・学習スタイル:TAC(通学講座)
・受験歴:短答式(令和2年8月)→論文式(令和4年8月)
▶︎トップ画像は受験の相棒である電卓(本人提供)
実践していた勉強方法と計画の立て方
私は大学1年生の時から公認会計士を目指し、短答式3回、論文式3回の受験を経て合格しました。もしかしたら周りの合格者の方よりも受験時代が長かったかもしれません。そのような私の体験が、これから試験に挑む受験生のみなさんの力になれたら嬉しいです。
私がこの体験記を通してみなさんにお伝えしたいことは、2つあります。1つは実際に私が実践していた勉強方法です。もう1つは私が所属している会計大学院についてです。
まず、私が実践していた勉強方法と計画の立て方をお伝えしたいと思います。私は模擬試験の前を除き、普段勉強する時には「本試験の時間割」と「科目間の平等な時間配分」の2点を意識していました。
「本試験の時間割」を意識した勉強方法
まず、「本試験の時間割」についてです。私は基本的に午前に試験が実施される科目は午前に、その他は午後に勉強するようにしていました。
人によって集中できる時間帯や暗記又は計算に適した時間は異なりますが、試験の時間割は決まっています。加えて、私は本試験の雰囲気に飲まれて、緊張してしまうタイプだったので、普段から本試験に近い形で勉強し、本番に平常心で臨めるように心がけていました。
一方で、1日の中で「何を、いつやるか」など詳細なスケジュールは立てないようにしていました。なぜなら、スケジュール通りに進まないと焦りが生じてしまうことに加え、自身の体調やメンタル等のコンディションは、その時々で変化するものだからです。
私自身の経験においては、例えばすごく苦手意識の強かった問題を理解した後は、気持ちが乗っているためもう1問続けて苦手な問題に挑戦する意欲が湧きました。反対に、苦手な問題がやはり正答できずに気分が落ち込んでしまった時は思い切って科目を変えて勉強していました。このように午前、午後という大きな枠でやることを決め、詳細な計画は立てずに勉強をしていました。
「科目間の平等な時間配分」を意識した計画の立て方
次に、「科目間の平等な時間配分」についてです。苦手科目を合格水準に持っていくことや、得意科目をさらに強くして安定感を持たせることは確かに有効ですし、本試験での気持ちの安定にもつながると思います。しかし、期間の長い受験勉強のなかで、科目間の勉強時間にあまりにも偏りを作ってしまうと、得意だったものが不得意になったり、できていた問題を忘れてしまったりして、それを解消するためにその点に時間をかけ、その間にまた別の個所を忘れてしまうという堂々巡りに陥ってしまいます。
そこで、私は1日のうち、最低限平等に勉強する時間を決め、それ以外の時間に苦手箇所や新しい知識のインプットを行っていました。その結果、本試験においてはどの科目もバラつきのない偏差値にそろえることができました。
人によって合う勉強方法は様々なため、必ずしもこのやり方が役に立つわけではありません。勉強方法の選択肢の1つと思っていただけたら幸いです。
会計大学院で、より理論的な観点から学びを得る
2つ目は、会計大学院についてです。私は論文式試験受験2回目の年に明治大学の会計大学院に入学しました。会計大学院と聞いてイメージをしづらい方も多いかもしれませんが、ここではより理論的な観点から、公認会計士試験の内容を理解することができます。
論文式試験は短答式試験とは異なり、問に対して自らの言葉で答える機会が圧倒的に多くなります。ここで、論述をする際に、例えば財務会計論であればある会計処理方法が成立した背景や類似の方法との違い等、その会計処理に関する根底部分を論述する機会が多くあると思います。
その際に、専門学校のテキストに記載されている説明よりもはるかに詳しく学ぶことができ、より納得感をもって理解を深めることができました。これにより私は、本試験において自信をもって論述することができた箇所がいくつもありました。
また、特に「監査演習」という講義が私の中で印象深く残っています。この講義では実際に公認会計士としてお仕事をされている方が講師となり、論文式試験で使用する監査論の法令基準集の内容について、実務のお話を交えながら解説していただきました。
法令基準集はボリュームも多く、一人で漫然と読んでいるだけではいざ使いたいと思った時に該当箇所を引けないことがありましたが、この講義を受講してからは、スムースに知りたい内容を引けることが多くなり、監査論の理解にとても役立ちました。
受験生へのメッセージ
最後になりますが、コロナウイルスの流行により、私を含め受験生の勉強環境や生活環境は大きく変化し、やりにくさを感じている受験生が大勢いると思います。受験生のみなさんには自分の勉強しやすい環境や方法を模索し、少しでも安心して勉強できる環境で頑張ってほしいです。みなさんが合格することを心から願っています。
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