【税理士試験合格体験記】3つの「しない」ことを心がけて、大学3年生で簿記論に一発合格!


松田 卓弥
(21歳・大学3年生)

<受験情報>
・合格科目:簿記論(令和4年度)
・学習スタイル
簿記論:通学(資格の大原簿記専門学校、税理士簿記論・初学者短期合格コース)
▶トップ画像は使用してきた勉強道具(本人提供)

税理士を目指したきっかけ

私が税理士を目指し始めたきっかけは、父の勧めです。
高校2年生の頃に、父から「大学在学中に税理士資格取得を目指して勉強するといい」と言われました。
当時の私は、税理士という職業に全く馴染みがなく、父にはあいまいに「わかった」と返事をしただけでした。

その後、大学入学が決定し、特に深い考えがあったわけではないのですが簿記の勉強を始めました。
その頃は、周りには特に税理士を目指す知人もおらず、1人で漫然と日商簿記の問題集と向き合っているだけでしたが、勉強を進める中で高2の頃の父の勧めを思い出し、2022年の1月に資格学校に入学しました。

資格学校の教室には、仕事が終わったその足で資格学校に走ってくる方、授業が始まる前から教室で自習している方など、本気で税理士試験合格に向き合っている方々がいました。
その方々を見て、自分も本気で税理士試験合格を目指そうと決意しました。

大学との両立

資格学校に通い始めた際は、週に2回の授業に出席し、授業後にその復習を行う、ということの繰り返しでしたが、大学のテスト期間が近づいた際には、だいぶ苦労しました。
特に、資格学校のテストと大学のテストが重なった時や、本試験直前に大学のテストが行われていた時は、心身ともに疲れ果てた状態で毎日勉強をこなしていました。

それに加えて、さらに苦しかったのは、友人たちと遊ぶ機会が減ってしまったことです。
資格学校に入る以前までは、仲の良い友人たちと一緒に大学の授業を受講し、授業が終わった後はどこかに集まって遊んで過ごす、ということが日課となっていました。
しかし、資格学校に入ってからはなかなか参加できなくなり、友人たちが集まっている間も、一人で大学の図書館に向かうことが多くありました。
その友人たちとは今でも仲よくしているのですが、大学生という短い期間における友人との交流が少し減ってしまったのは合格した今でも少し残念に思っています。

合格のための勉強法―心がけていた3つの「しない」こと

私が簿記論の学習を行うにあたって決めていたことは、次の3つです。

① 他人と比較しないこと
② 勉強しない日を作らないこと
③ 最後まで諦めないこと

以下、この3つの点と関連づけながら私の勉強法を紹介します。

① 他人と比較しないこと

私は、元々勉強がとても得意というわけではなく、特に暗記などはとても苦手です。
そのため、資格学校で定期的に行われるテストでは、常に上位70%程(合格するには上位30%に位置する必要があると言われていました)に位置していました。

しかし、私は成績・順位は特に気にしないことにしていました。
なぜなら、税理士試験は競争試験ではなく、本試験で60点(合格基準点は満点の60%)を超えた受験生が合格するというシステムだったからです。
そのため、私は定期的に行われるテストに関して、自分が上位何%に位置しているかではなく、「どこを、なぜ間違えたのか」と「自分がこの分野だけは満点をとると決めたところは満点を取り切る」ことに専念していました。
たとえば、私は減損会計やリース会計、資産除去債務などの有形固定資産に関する分野が得意だったので、テストではそれらの分野で満点をとることに決めていました。
その結果、今回の本試験では、減損会計の問題で満点を取り切ることに成功し、合格につなげることができました。

② 勉強しない日を作らないこと

税理士試験の簿記論は、少しでも勉強しない日があると、感覚が鈍くなってしまう科目です。
毎日勉強していても、仕訳を抜かしてしまう、科目の処理方法を忘れるなどのミスが多発します。
そんな中、もし2、3日、ましてや1週間も勉強しない日が続いてしまうと、感覚がさらに鈍くなってしまいます。
それを防ぐためにも、私は1日平均2〜3時間、直前期1ヵ月は6〜7時間勉強して、どうしても勉強ができない日でも絶対にゼロにはしないように、数十分だけでも勉強をするようにしていました。

この習慣は、簿記論だけではなく、他の税理士試験科目合格にも重要だと思います。

③ 最後まで諦めないこと

資格学校に通っている際に、担当の先生から「最後まで諦めてはいけない」と何度も言われました。
最初はこの言葉に対して何も感じていなかったのですが、本試験が近づくにつれ、次第にこの言葉の大切さが理解できました。

簿記論は、最後の1ヵ月程の過去問演習で驚くほど点数が伸びる科目です。
初めて過去問を解いたときは、自分の点数がボーダーから10点以上離れており、心が挫けそうでしたが、「もう少し頑張ろう」を何度も繰り返すことで合格まで漕ぎ着けました。

「努力が必ずしも報われるわけではない」けれど、諦めずに努力することは大事!

余談ですが、冒頭で述べたように、私は特に勉強が得意ではなかったため、大学受験で少し苦労をしました。
センター試験(現・共通テスト)では目標点数には遠く及ばない点数をとり、私立のセンター推薦はすべて不合格、それに続いて前期の国公立も不合格になり、後期試験でやっと合格を掴み取りました。
その際に感じたのは、「努力が必ずしも報われるわけではない」ということです。
どれだけ努力しても、うまくいかない時はうまくいきません。

しかし、だからといって努力を怠ってよい理由にはなりません。
「最後まで諦めずにあと少し頑張ろう」ともがくことは時には、結果よりも大事なことだと思います。
私も、官報合格まではまだまだ長い道のりとなります。最後まで諦めずにもがき続け、ともに合格を勝ち取りましょう。


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