【税理士合格体験記】思い切った科目変更が吉! 産後に勉強時間が激減するも、法人税法リベンジ達成!


 M
 (41歳・税理士事務所パート)

<受験情報>
合格科目: 簿記論(平成26年度)、財務諸表論(平成25年度)、法人税法(令和4年度)
学習スタイル:TAC(Web通信)、法人税法の2年目はテストのみ教室受験
▶︎トップ画像は桜の名所である地元の好きな風景

税理士を目指したきっかけ

新卒で小売業に就職し、主にレジを担当していました。土日祝日はもちろん、お盆やお正月も仕事で、転居を伴う転勤もあるため、ずっとこのスタイルで働くのは難しいと次第に感じるようになりました。

土日祝日、盆正月に休めて、転勤がなく、夕方には帰れる、デスクワークの仕事を考えるようになりました。また実家が自営業をやっていて、自分の裁量で仕事ができる父の姿を見てこういう働き方をしたい、と思うようにもなりました。
そのような中で、定年後、年金暮らしではなく、自分次第でずっと現役で働くことができる職業、そして独立開業ができる税理士という資格に大変魅力を感じました。

簿・財に合格後、消費税法に大苦戦

簿記2級までは仕事をしながら独学で取得し、30歳で退職して実家に戻りました。当時、実家の近くには資格の学校がなかったため、TACのWeb通信で税理士試験の勉強を始めました。そして、受講を続けながら、科目合格なしの状態で大学院に入学してしまいました。

大学院1年次に財務諸表論、2年次に簿記論に合格することができました。その後、資格の学校を変えて消費税法にチャレンジするものの、5回受験しても合格することができませんでした。特に3年目以降は変動はあるものの、模試では上位3%~25%の成績は取れていました。

簿記論は3回目の受験で、財務諸表論は2回目の受験で合格しましたが、いずれも不合格だった年は、模試でも成績は振るわず、結果は順当だと思っていました。
ところが、消費税法は模試でそこそこ上位の成績は取れるのに、なぜか本試験は合格できなくて、大学受験などを振り返ってもこういう経験は今までありませんでした。

消費税法5回目の受験を終えた直後に妊娠が判明しました。自己採点はボーダー付近なので、「なんとか今年で合格していてほしい…」という思いとは裏腹に、59点での不合格。「産後に受験持ち越しかぁ…」と絶望的な気持ちになったのを覚えています。

春に出産しましたが、コロナが猛威を振るっていて夫以外の人に子守をお願いできない、夫が取りたい日にちで有休を取るのが難しい、生後4ヵ月では一時預かりも見つけられない、という事情もあり、その年は受験を見送ることとなりました。

産後、消費税法から法人税法へ科目変更!〜厳しかった1年目   

消費税法は、勉強してて楽しいとは思えない感覚がどことなくありました。なので産後、思い切って法人税法に科目を変更しました。「法人税法はどうもTACが網羅的に内容を扱ってくれるらしい」という話を聞き、TACのベーシックコースWeb通信を申し込みました。

育休の期間にカリキュラムを進めましたが、子供が4月に保育園に入園し、私も職場復帰となりました。仕事は忘れているわ、保育園の持ち物準備や送迎には戸惑うわ、入園直後は子供が体調を崩しがちで看病しているうちに私も体調を崩すわ…と、3月まではなんとかカリキュラムに食らいついていけたものの、直前期にはドロップアウトしてしまいました。

まともに答練を解いても解けるはずがなく、調べるのも時間がかかるので答えを見ながら提出する羽目になっていまいました。書き写すのだって何もやらないよりは勉強になるはず、と言い聞かせました。

本試験はSランクの理論の収益の額を覚えていなくて白紙。時間が余ってしまい、途中退出もできず退屈でした。自己採点の結果は20点程度で、不合格の点数もそれくらいでした。

法人税法2年目〜まさかの合格!

本試験が明らかにできなかったので講座を申し込んだほうがよかったのですが、産後4ヵ月しか働いていない状況だったため受講料を払うお金がありませんでした。仕方なく年内は独学で勉強しました。1月には受講料を用意できたため、本試験の出来具合を考えて再びベーシック講座に申し込みました。

4月までは範囲も決まっているため、実力テストは満点近く取れました。しかし、直前期は一気に範囲が広くなるため苦戦し、答練は上位20~70%程度しか取れませんでした。あまりにも範囲が膨大で、絶対的な勉強時間が不足しており、とてもじゃないけど全範囲の学習には手が回らない感覚でした。

それでも、「法人税が好き、面白いという気持ちは誰にも負けない」という根拠不明な感情は持っていました。昨年と違い、理論はS・Aランクはなんとか暗記できました。

本試験ではBランクの欠損金の繰戻し還付の理論が覚えていなくて白紙。時間が足りず、解散があった場合の資本金等の額の減少額は覚えていたのに書けませんでした。計算は設立1期目の論点はどうにかしたものの、為替予約のレートを間違えました。

「全体的に間違ってはいけないところで失点した」と思いました。自己採点はボーダーマイナス10点だったため、不合格を確信していました。その後は年内完結で勉強し直していて、合格発表の存在は半ば忘れていました。

「第5回実力テストをどうしようか」ということしか考えていなかったタイミングで国税庁から封筒が届き、まさかの合格でした。こういう成績・出来具合で合格したことがなかったため、衝撃でしかありませんでした。

産後の勉強の仕方   

受験期間中に妊娠・出産がありましたが、実家も義実家も遠方なので、夫以外の人に子守をお願いすることができない状況でした。子供が生まれてからの勉強時間は3分の2~半分程度になったかと思います。
そのような状況の中、どうすればいいのか、あがいていましたが、考えた結果、
①机に向かわないとできない勉強
②机がなくてもできる勉強
を分けるようにしました。

具体的には、
①は講義の視聴、トレーニングなどを解く
②はテキストなどの読み込み、理論の暗記
が該当します。

①ができる時間は限られています。②は自分の体力・やる気次第ですが、いろいろな場面で取り組むことはできます。その時の状況によって①と②どちらをやるといいかを考えるようになりました。

仕事の日

週3で税理士事務所のパートとして働いていました。仕事の日は車の中の勉強が中心でした。子供を保育園に登園させた後、駐車場に車を停めて出社前に①の勉強、昼休みは車の中でお弁当を食べて①の勉強、退社後はお迎え前に車の中で①の勉強、というルーティンでした。

ワンオペの日

極力、子供が起きている間に家事を片付けるようにしていました。子供が昼寝している時は①の勉強、機嫌よく遊んでいる時は②の勉強、室内で安全に遊べる施設に連れていき、その辺で遊ばせながら②の勉強をしていました。

自宅

お風呂は夫が入れることが多かったため、その間に①の勉強をし、私は夜は起きていられないタイプなので夜の勉強は諦め、寝かしつけをしながら一緒に寝ていました。
朝は早起きし、子供が起きてくるまでは①の勉強をしていました。

家事をやっている時

いわゆる「耳勉」をよく取り入れていました。講義1回目の視聴は家事をやりながらワイヤレスイヤホンをつけてスマホで再生して聴いていました。後で時間が取れた時に机で視聴しますが、これをやっておくとおおよそ内容は頭に残ってたりするので巻き戻して聴き直す回数を減らすことができました。

講師命   

ベーシック通信担当の講師が講義で、「添削答案の裏にいろいろな文章を書いて、文通みたいにやり取りしている方がいた」と言っていたので、私も同じように書いてみました。
“消費税法は5回受験して合格できず、もうこれ以上やり続けるのは難しいと感じ、実務での勉強の必要性から法人税法を選択しました、しかし、消費税法すら合格できなかった自分が、果たして法人税法なんてやれるのだろうか、不安な気持ちです”と、添削答案の裏に書き込んだことがあります。

それに対する講師の返信がとても印象的でした。その講師曰く、”法人税法は1回で合格したものの、消費税法を受験してみてどうも好きになれなかった、なのでMさんのそういう気持ちはとてもよくわかる”とのことでした。
“法人税法ができる人がなんでもできるとも限りません。合格するための押さえるべきポイントがあるので、そこを押さえていけば1年で合格は可能、今までの結果は関係ない”とも書かれていました。
その講師の言葉を受けて、「やれるところまでやってみよう」と決意しました。

以後、受験に関しては講師の言うことを聞き、講師の言うことだけを信じるようにしました。少しでも疑問に思ったり不安になった時は、ためらわず質問電話で講師に聞いたり、確認を取ったりするようにしました。

また、ネットなどでは「法人税法は最難関」という情報が至る所で流れており、そういうものを読むと不安になるため、あえて目に入れないようにしました。

余談ですが、直前期はスマホのメモ帳に「今年合格して合格祝賀会に参加して収録担当講師とお話ししたい」など野望を入力して、スクリーンショットで待ち受け画面にして、自分を奮い立たせるようにしていました。実際本当に祝賀会でその講師と対面でお話しすることができて、感激しました。

合格するまでの色々な葛藤   

学生時代と違って社会人になってからの受験は周りの人と違うことをするため、いろいろな葛藤がありました。自分だけが浮くような感覚があり、苦しみました。

他人のことを気にしている暇などないと言い聞かせ、自分のやるべきことだけを考えるようにしました。

年齢が上がると記憶力も体力も衰えてくる、新しいことも頭に入りにくくなってくる、勉強するならちょっとでも若いうちにしておいたほうがいい、とも思っていました。

いろいろな苦労もありましたが、そんな出来事も合格してしまえば「そんな時もあったなぁ」と過去のちっぽけな出来事として笑い飛ばせるようになります。合格するとこれまでとは全く世界が変わります。今では諦めないで挑戦して本当によかったと思っています。

この記事を読まれた方々が今年合格されることを祈念して、結びとさせていただきます。

【こちらもオススメ!】
合格体験記の一覧


関連記事

【広告企画】会計大学院(アカウンティングスクール)12校の魅力を探る!

重版出来✨『わかる! 使える! うまくいく! 内部監査 現場の教科書』

【広告のご案内】掲載要領(PDF資料)

ページ上部へ戻る