Y・N
(31歳・社会人(金融業))
<受験情報>
・学習スタイル:TAC(通信講座)
・受験歴:短答式(令和3年12月)→論文式(令和4年8月)
▶︎トップ画像は勉強時間を記録した表(本人提供)
会計士を目指したきっかけ
新卒で入社した会社を約5年で退職し、縁あって地元の会社に転職しました。転職先は残業がほぼなく、時間に余裕ができたことで、「何か専門性のある資格を取得したい」という気持ちが強くなりました。
また、同じ会社で公認会計士を目指している先輩がいたことから、資格のことを調べるようになり、会計監査、アドバイザリー、税務等、仕事の幅の広さに魅力を感じ、公認会計士を目指そうと思いました。
「効率性・勉強時間・睡眠」を意識して両立
公認会計士資格が非常に難しい資格であり、合格率も低い資格であることはわかっていました。また、働きながら合格することは、さらに難しいということもわかっていました。ただ、既婚で家族を養う身として仕事を辞めて専念するという選択肢はありませんでした。
そこで、他の受験生とは相対的に勉強時間が少ない中で「いかに効率よく勉強できるか」が合否を分けると思い、‟勉強法”を勉強するために、勉強法に関する書籍を購入しました。具体的には、メンタリストDaiGoさんの『超効率勉強法』(学研プラス)です。この書籍から学んだ勉強法は、合格するために極めて重要なことだったと私自身感じています。
次に、平日仕事をしながら、「いかに勉強時間を確保するか」について考えました。結論から申し上げると、朝型に生活をシフトしました。具体的には、以下の表にあるようなスケジュールです。
仕事後に勉強することも考えましたが、残業があった場合に計画が狂うことや仕事による疲労で集中力が保てないことがあると考え、仕事後、家に帰ってから勉強する時間は1時間にしました。
勉強法以外に気をつけたポイントは、「睡眠時間」です。勉強を始めて講義科目が増え始めた頃、勉強時間を増やすために睡眠時間を削ってさらに早起きするようにしました。その結果、週末に疲労のせいか必ず体調を崩すようになり、貴重な休日に勉強できなくなりました。
この経験から、睡眠時間は必ず6時間~6時間半は取るようにしました。社会人に限らず、勉強時間がなかなか取れない受験生は、睡眠時間を削る選択をすることがあるかもしれませんが、ショートスリーパーでない限り避けたほうが良いと思います。
勉強法を学んで実践した「分散学習」と「想起」
先ほど紹介した書籍『超効率勉強法』から学んだ方法で、私が実践したのは主に2つあります。
1つ目は、「分散学習」です。「分散学習」とは、復習回数を重ねる毎に復習の間隔を延ばすことです。
とある研究で、記憶に残りやすい復習間隔の日数が示されていたので、計算科目の講義受講時には、5回目までの復習について、この研究結果のとおりに復習スケジュールを組み、手帳で管理しました。
スケジュール通りに完璧には進みませんでしたが、多少日程が前後することは許容することでストレスなく復習を行うことができました。また、ちょうど忘れそうなタイミングで復習することになったので、長期記憶に徐々に移っていく感覚もありました。
2つ目は、「想起」です。人間の記憶は「想起」、つまり思い出す作業をした後に強くなるそうです。「想起」を勉強の中に取り入れるために、テキストの目次から内容を思い出す「目次勉」やテキストに簡単な問題を書き込んで、その解答を思い出す作業を繰り返し行っていました。
また、暗記カードアプリ「Anki」を使用することで、ちょっとしたスキマ時間にも「想起」ができる環境を整えました。一度覚えたことでも忘れるのは当たり前であることも、書籍を通じて学んでいたので、何度忘れても落ち込むことなく、淡々と覚える作業を行っていました。
さらに、入浴中に毎日、1日の振り返りを必ず行っていました。お風呂の中でリラックスしながら、今日1日で勉強したことを思い出しました。
人間の脳は、睡眠時間中に記憶が整理されるようにできているので、寝る前に振り返りを行うことで、より記憶の定着が進んだのではないかと思っています。
地方の通信生でも孤独を感じず進められた
公認会計士の資格について調べる中で、ユーチューバー会計士の小山さんのYouTubeを見ており、小山さんが通っていた専門学校がTACであることと、合格実績を考慮してTACを受講することに決めました。振り返ってみて、わりと単純に決めましたが、TACを選んで本当に良かったと思っており、非常に感謝しています。
TACの講義は、どの科目も理屈や背景まで教えてくれるので理解がしやすかったです。また、テキストは合格するために必要な内容が、無駄なくコンパクトにまとめられているため、TACのテキストのみを信じて勉強をやり抜くことができました。
また、サポート体制としても、個別成績相談や定期的にZOOMで行われるホームルーム、そしてテキストチェックゼミが特によかったです。私の場合は地方の通信生で、周りにTAC生がいませんでしたが、個別成績相談を定期的に利用することで孤独感を感じることなく、また、学習のマイルストーンを確認しながら進められました。
テキストチェックゼミは、短答式試験後から開始される受講生参加型で、テキストの内容に沿った講師の質問に対し、ランダムに指名された受講生がテキストを見ずに答えるというゼミです。2022年合格目標時は管理会計論のみでしたが、現在は監査論でもゼミが行われているようです。
ゼミのためにテキスト内容を覚える必要があり、しかもこの時期は租税法や選択科目の講義も受けつつ、答練もある中だったので、非常に大変な時期でした。しかし、このテキストチェックゼミに参加していなければ、管理会計論において論文式試験合格レベルまで達していなかったでしょうし、逆に参加していたからこそ好成績だったと思っています。もしTACを受講されているのであれば、テキストチェックゼミに参加することを強くオススメします。
論文式合格を見据えて勉強を続けた
「論文式合格までが目指すべき目標である」と思っていたので、短答直前期以外は論文を意識しながら勉強していました。そのため、短答式の後でも全く気持ちが緩むことなく勉強を続けられました。短答式ではなく、論文式を見据えることが大事ということは講師も仰っていましたし、私自身も重要なことだと思っています。
最後になりますが、受験生には様々なバックグラウンドがあり、私以上に時間がない方も多くいらっしゃると思います。
この体験記が、お読みいただいた皆様にとって、少しでも公認会計士試験合格の一助となれば幸いです。
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