長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)
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問題(空欄補充)
重要な投資情報である研究開発費について,企業間の( ① )を担保することが必要であり,費用処理又は( ② )を任意とする従来の会計処理は適当でなかった。
研究開発費は,発生時には( ③ )を獲得できるか否か不明であり,また,研究開発計画が進行し,( ③ )の獲得期待が高まったとしても,依然としてその獲得が( ④ )とはいえない。そのため,研究開発費を資産として貸借対照表に計上することは適当でない。
また,仮に,一定の要件を満たすものについて( ② )を強制する処理を採用する場合には,( ② )の要件を定める必要がある。しかし,実務上客観的に判断可能な要件を規定することは困難であり,抽象的な要件のもとで( ② )を求めることとした場合,企業間の( ① )が損なわれるおそれがあると考えられる。 したがって,研究開発費は発生時に費用として処理することとした。
解答・解説
① 比較可能性
② 資産計上
③ 将来の収益
④ 確実である
*研究開発意見書三2
『繰延資産としての開発費とこの研究開発費とでは対象の範囲が異なる』(桜井23版,214頁)
◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
4-1.棚卸資産会計①‐⑥
4-2. 棚卸資産会計⑦‐⑫
5‐1.収益認識会計①‐⑦
5₋2.収益認識会計⑧-⑫
6.リース会計①‐⑥
7.固定資産の減損①‐⑩
8.ソフトウェア会計①‐⑥
〈執筆者紹介〉
長島 正浩(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。
*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。