会計士受験生のための監査論の勉強法と『スタンダードテキスト監査論』の活用法


編集部

2022年7月、『スタンダードテキスト監査論(第6版)』(中央経済社)が刊行されました。
本書は、もともと会計大学院のテキストとして作られたものでしたが、会計士試験に有益と受験生の支持を得て、第6版まで改訂を重ねています。
会計士受験生の中には、まずは財務会計論、管理会計論に多くの勉強時間をかけて、監査論は二の次、試験直前に追い込もうという方も多いかもしれません。
しかし、監査論もいざ勉強してみると範囲は膨大。
生半可な勉強では全く太刀打ちできないでしょう。
以下では、監査論の学習のヒントと『スタンダードテキスト監査論』の活用法について解説します。

◆暗記 vs.理解―さてどっちがいい?

監査論は、その範囲が膨大で覚えなければいけないことも多いです。
そのため、論点を縦割りで勉強して暗記してもすぐに忘れてしまうという悩みをよく耳にします。
では、どうすればよいでしょうか。

1つの方法として、「縦割りの論点を相互に関連づけながら学習する」ことをオススメします。
これにより、知識が体系化され、理解が進み、結果的に記憶にも残るのです。
具体的には、以下のことを試してみてはいかがでしょうか。

  • テキストや監査基準等の原文を読む際、今読んでいるところと関連する箇所については、そちらもあわせて読んでみる(たとえば、本書『スタンダードテキスト監査論』を読んでいる論点について、一度読んだ後に目次をみてそのキーワードが書かれているところはすべて読んでみるとよいでしょう)。
  • 索引をみて用語の意義をおさえるとともに、索引の頁が複数の場合、その頁をすべて読んでみる。
  • 関連箇所が把握できたら、問題集を解く際も上記のように横断的に解く。

◆原文を参照しよう!

近年、監査基準、監基報等の重要な規定はテキストに盛り込まれているので、原文は見なくてよいと指導されている専門学校も多いと聞きます。
しかし、原文にあたり、辞書のようにその前後の規定をもあわせて読み込むことで理解がより深まります(さらにいえば、前後の規定を読まないと理解できないことも多いでしょう)。
そして、原文を引く習慣を身につけることで、論文式本試験で参考法令基準集を確認する際もスピーディにできるようになります。
最初は時間がかかってしまうと思いますが、確実に効果はありますので、ぜひ実践しましょう!

本書『スタンダードテキスト監査論』は、制度の解説をする際は、必ずカッコ書きでその根拠規定が示されていますので、まずはそれについて『監査法規集』『参考法令基準集』などで原文を参照しながら学習することをオススメします。

◆天王山である論文式を想定して学習しよう!

多くの受験生は、短答式試験に合格できなければ土俵に立てないということから、まずは短答式試験突破を念頭に学習される方も多いと思われます。

しかし、論文式試験は短答式よりもだいぶレベルが高くなり、解答するためにはより深い理解が求められることから、短答式はクリアできても、その意識のまま学習を続けてしまうと論文式でつまずいてしまいます。

合格者の方にお話を伺うと、「論文式の勉強が短答式にも役立った」、「論文式の勉強のみで短答式の対策はほとんどしなかった」という声も多く耳にします。

本書『スタンダードテキスト監査論』は、主要論点についてなぜそうなるのかなど一歩踏み込んだ解説がされており、論文式対策に有益です。
また、膨大な試験範囲を本文550頁強におさめて、かつメリハリをつけて解説しているので、知識の修得、整理が必要な短答式試験にももちろん効果的です。

第6版は、制度改正をフォローするだけでなく、読者の理解がより進むように体系を大きく見直して、読みやすくリニューアルしました。
ぜひ本書を試験対策として有効に活用ください!

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