<編集部より>
会計人コースWebでは、会計士・税理士・簿記検定を中心に勉強法を取り上げていますが、「どんなやり方が自分に合っているの?」とまだまだ模索中の人も多いハズ。
そこで、今回は「他資格から勉強法のヒントを学ぼう」ということで、行政書士受験のレジェンド講師・横溝慎一郎先生(LEC専任講師・写真左)と令和3年度行政書士試験に一発合格した山本絢香先生(行政書士・写真右)に対談をしていただきました(全3回)。
今年の行政書士試験は11月13日(日)に実施される予定で、今はまさに超直前期。第3回は、理想の士業像と講師から見た一発合格者の特徴についてのお話です。
(前回までの記事はこちら→第1回 第2回)
どんな士業になりたいか
横溝先生 これまでの勉強が役に立つというのはいいですね。
今後はどんな行政書士になりたいとかっていうイメージはあるんですか。
山本先生 そうですね。特に今は若い企業家が増えているので、やっぱり行政書士というと堅いイメージを持つ方がいたり、他の士業と区別がつかなかったり、そもそもつながりがないという方も多いので、「行政書士に対する堅いイメージを払拭したい」というのがあります。
あとは、メールが苦手だからLINEで対応してほしいという方もいるので、臨機応変に対応していきたいと思っています。
横溝先生 なるほど。
山本先生 それと、業務に関して言えば、今は3つの業務にメインを絞っていますけど、「山本絢香といったらコレ!」という1つの専門性を追求して、特化できる業務を作りたいなとも思っています。
横溝先生 それはこれから色々と模索していく感じなのでしょうね。
そもそも今の3業務以外かもしれないもんね。
山本先生 そうなんですよね。やってみないとわからないですもんね。
横溝先生 元々、TikTokのフォロワーが多いという話はチラッと伺いましたけど、それは今の業務とリンクはしてくるものなのですか。
山本先生 それは全然別々にやっていきます。元々、TIkTokは趣味としてやっていたので。
ただ、認知してもらうためにはすごくいいなと思っていて、プロフィール欄には書いていますね。
そこからInstagramに飛んで、DMでご相談いただけることもあるので、SNSをフル活用しています。
横溝先生 それぞれ、利用者の年齢層も違いますもんね。
山本先生 そうですね。多分、FacebookがSNSの中では一番、年齢層が高いと思います。
横溝先生 今後はそういう形で行政書士として活動していって、行政書士以外の資格を取ろうというよりは、行政書士をずっと追求していく感じを今は考えてらっしゃるのですか。
山本先生 そうですね。今は自分の事務所を開業したこともあるので、行政書士の実務を頑張りたいなと思っています。
けど、いつかはまた、難関資格の取得にチャレンジしてみたいなという気持ちもまだあるんですよね。
横溝先生 どんなことやるんだろうね。全然違うジャンルに行きそうな気もしますからね。なんか、気象予報士とかになっていそうだもんね(笑)。
山本先生 「行政書士」ですら、今までの人生とかなりかけ離れたことをやっているので(笑)。
これから士業を目指す人へ
横溝先生 行政書士試験は、昨年頃から受験生がまた増えてきて、20代のような若い世代も受ける方が増えてきている印象はすごくあるんですね。
これから行政書士など資格取得を目指す人に向けてメッセージをいただけますか。
山本先生 私もSNSでも資格のことを発信しているんですけど、その理由が、「自分にはできないかもしれない」と思っている方がいて、チャレンジの決断ができずにいる方とか、途中で辞めてしまうかとかがいると思うんです。
私は、一応、最終学歴が高校卒業なんですけど、通信制高校の出身で、きちんと学習したというのが中学のレベルで止まっているんですね。
なので、前に横溝先生にも質問したと思うんですけど、「日本に大統領がいる」と思っていたような、そんな知識だったので行政書士の試験科目の一般知識もかなり壊滅的だったんです。
そんな私でも、「根性とやる気と諦めない気持ち」があれば合格できたので、「自分には無理かもしれない」とか思わずに、資格に興味がある方はぜひチャレンジしてみてほしいなと思っていて、そんな思いで発信を続けています。
横溝先生 その一歩踏み出す勇気や決断力、頑張るぞという気持ちはどこから出てくるのですか。
山本先生 私の場合は、宅建試験の時にお世話になった講師の方が背中を押してくれたのがあったので、逆に、私もそんな存在になりたいと思っています。
これからもSNSでたくさん発信をしていって、「私も挑戦してみたいです」という方が増えてくれたらいいなと思います。
横溝先生 そうだよね。実は私、20年以上前に、今でいう高卒資格認定試験(旧・大検)の講師をしていたんです。
そこには高校を中退した子とか、中学校を卒業して働きに出ている人とかがいっぱいいたんですよ。
大検は科目合格制度なので合格を1科目ずつ積み重ねていけると、その人の表情がどんどん変わって、自分に自信が出てくるようになるんですよね。
だから、きっと背中を押してくれる人がいれば、ここでまた頑張ろうとか、自分で違う道を見つけ出せるかもしれないですもんね。
山本先生 はい。人生一度きりしかないので、本当になんでもチャレンジしていただけたらな、と思います。
一発合格する人は「学習の組み立て方」がうまい
編集部 たくさんのお話しを聞かせていただき、ありがとうございました!
山本先生の勉強法がしっかりと練られた戦略だったからこそ、一発合格という結果につながったのですね。
最後に、山本先生の勉強法について横溝先生からはどうご覧になりましたか。
横溝先生 そうですね。山本さんに対しては、授業を受けている様子からも、「質問をよくしてくる人」かつ「質問の仕方が上手な人」というイメージを元々持っていました。
その質問の内容も、ただだらだらと何かを聞いてくるだけではなくて、だんだんとポイントを絞って聞いてくる、割と聞きたいことがはっきりしているような聞き方だったんですね。
ある程度自分で勉強をしていないとそういった質問ができないので、それを総合的に考えると「合格できるかな」と思えるような、そういうタイプの受講生でしたね。
今回の対談で、山本さんのお話を改めて聞いて、「やっぱりそうなんだな」と納得感がありました。
山本先生 嬉しいです! ありがとうございます。
横溝先生 あとは、そう、運が良さそうだからね(笑)。
山本先生 はい! 結構、強運の持ち主ですね(笑)!!
横溝先生 試験は、最後はそれが左右するので。
ただ、ある程度受かるところまでは到達するだろうなというイメージはありました。
山本先生 私はあまり頭がいいほうではないので…。
ただ、頭の悪さというより、「やり方」と「根性」でそれはカバーできると思っています。
横溝先生 きっと、頭がいいんだと思いますよ。
頭が良い・悪いという表現の評価ポイントには色々あるので、もしかしたら学校の勉強がすごくできるというタイプではなかったのかもしれないけれど、「学習の組み立て」がすごく上手で、そういう頭の良さは今回改めて感じましたね。
結構、闇雲に勉強しちゃう人が多いんですよ。
闇雲にやって結局よくわからなくなってしまう人は多いので、私が定期的に色々なイベントを組んで、勉強法の話を皆さんにするのも、元々はそれがきっかけだったんですよ。
大多数派の人たちはどうしてもその辺がうまくできない人は多いので、そこは学歴とかは関係ないですね。
山本先生 嬉しいお言葉、ありがとうございます。
今回の対談では、一番はやっぱり横溝先生に感謝の気持ちを伝えたかったので、今日はちゃんと行政書士バッチをつけて映ろうと思っていました。
本当にありがとうございました!
横溝先生 とんでもないです。よかったです。おめでとうございます!
(全3回おわり)
<対談者紹介>