【公認会計士試験】資格の大原講師に聞く! 論文式試験合格のために今すべきこと「Aランクに注力する」


6月24日(金)、令和4年公認会計士試験(第Ⅱ回短答式試験)の結果が発表されました。

令和4年公認会計士試験第Ⅱ回短答式試験の合格発表等について

合格された方は、いよいよ8月の論文式試験ですね!

そこで、資格の大原講師の二葉 穣先生(管理会計論担当)に、当面の勉強のヒントを伺いました。

論文式試験に向けて絶対に意識すべきこと

――5月短答に合格した方が、8月論文に向けて意識すべきことを教えてください。

二葉先生 12月短答に合格した方と比べると時間的猶予がない方も多いと思いますが、まずは強い気持ちを持つことが大切です。

例年多いのは、「これまで短答式試験に注力してきたので5月短答には合格できたけれど8月論文には自信がない」という方です。「このまま勉強しても、どうせ来年また受けることになるんだろうな」という思いが芽生え、勉強量そのものが落ちてしまう方もいます。

しかし、12月だろうと5月だろうと、短答式試験を突破した以上、論文式試験に臨む実力は十分あります。「このまま勉強すれば必ず合格できる」という自信を持ちましょう。気持ちを強く持つことによって、自然と勉強にも身が入るはずです。

――具体的に、どんな学習をするとよいでしょうか。

二葉先生 「Aランク」といわれる典型的な論点の精度を高めましょう。「守備範囲は広いほうが有利ではないか」と不安になるかもしれませんが、実際はAランクの精度を高めれば合格できる試験です。いたずらに手を広げる必要はありません。

手を広げることにはメリットとデメリットがあり、5月短答に合格した方にとってはデメリットのほうが大きいです。というのも、Bランクに手を広げた場合、それがピンポイントで出題されたら大きなメリットになりますが、中途半端に手を出してしまうと、知識そのものが邪魔になることがあります。どういうことかと言うと、実際はAランクの問題で、Aランクの知識で解けばよいのに、Bランクの問題として考え、Bランクの知識を使って解こうとしてしまうんですね。

知識の幅を広げたり、難しい問題にチャレンジしたりする以上、それが自分のものにならないと意味がありません。そういった意味で、時間的な余裕を考えると、5月短答に合格した方は、中途半端に手を広げずAランクの問題を確実に解けるようにすることが重要です。

◆編集部作成

論文科目の学習の進め方

――租税法と選択科目はどのように学習を進めるべきですか。

二葉先生 短答式試験に注力してきた方は、これから租税法と選択科目の対策を本格的に始めることになると思います。

租税法

まず全員が受験する「租税法」ですが、理論と計算のうち、基本的には先に計算を押さえてください。理論は、計算に関する取扱いや条文が問われるので、計算とリンクさせるとよいでしょう。

本当に時間がない方は、計算に注力し、理論は演習(答練)で出題された問題で結論の書き方を確認してください。計算さえしっかり対策しておけば、理論も計算とリンクさせた知識で戦えます。

統計学・経済学

選択科目は4つあり、どの科目を選択するかにもよりますが、計算の色が強い「統計学」や「経済学」は、最近は平均点が高い傾向にあります。

この2科目については、今はすでに理解を深める時期ではありません。こういった勉強法が嫌いな方もいるかもしれませんが、一から理解を深めるよりは暗記して完璧に内容を押さえる学習にシフトしないと、そこまで難しくない問題で失点してしまう可能性があります。これは、合格水準が高い科目で最も避けたいことです。

統計学や経済学では、確実に点数を拾っていきましょう。

経営学

選択する方が多い「経営学」は、特にファイナンスで、最近は問題集を演習するだけでは戦えないことが多くなっています。基本的な考え方を押さえていないと融通が利かないので、たくさんの問題を解くよりはテキストを中心に学習を進めるとよいでしょう。時間が限られていることを加味しても、さまざまな問題集に手を広げるのではなく、テキストの知識を軸に問題を解くほうが効率的です。

また、グラフを書く問題が出ることもあるので、その書き方も押さえておきましょう。

理論については、用語だけ暗記する方がいます。もちろん用語を知らないと戦えませんが、それだけでは点数は取れません。用語と用語をつないだ「流れ」をしっかり答えられるようにしましょう。

民法

民法は、「この事例にはこう答える」といったパターンを複数もっておくことをおすすめします。どれだけ多く準備できるか、です。回転数を意識して多くの事例問題に触れてください。あとは条文を頼りにしましょう。

――参考となるアドバイスをありがとうございました。

〈お話を伺った方〉
二葉 穣(ふたば・ゆたか)

東京理科大学理工学部情報科学科卒業。学校法人大原学園(資格の大原)教育事業部第2教育部長。2008年公認会計士試験合格。公認会計士講座管理会計論担当講師。
マネージャーとして資格の大原公認会計士講座の運営全般に携わり、「一発合格主義」を掲げた講座は初学者合格者割合50%を超える。上級一発合格者も多数輩出。プレイヤーとして管理会計論の教室収録講義を長年担当し続けており、できる限り受験生に近い立場で講座運営をすることを心掛けている。

HP:https://www.o-hara.jp/
Twitter:https://twitter.com/o_hara_kaikei


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