税理士ジンノユーイチが教える!  「合格」をつかみとるゴールデンウィークの過ごし方


税理士 ジンノユーイチ(神野裕一)

【編集部から】

もうすぐゴールデンウィーク。今年は5月2日・6日も休暇を取れば10連休になるようですが、そんなゴールデンウィークは税理士受験生にとって、試験前最後のまとまった学習時間が確保できる時期でもありますよね。

しかし大型連休だからこそ、何をすればよいのか迷ってしまう、そんな方も多いと思います。

そこで、税理士のジンノユーイチ(神野裕一)先生に、この時期の過ごし方についてアドバイスをしていただきました。

こんにちは、税理士のジンノと申します。

税理士事務所で仕事をしながら勉強をしている受験生は多い印象ですが、私自身も税理士法人に勤務しながら3回受験しました。
 
受験生時代、私にとってゴールデンウィークは、まとまった勉強時間が確保できるとてもいい期間でした。
 
今回は、私がゴールデンウィークに行っていた勉強、過ごし方をお伝えします。

ゴールデンウィークは「基礎固め」の期間

ゴールデンウィークは、受験生にとって勉強に集中できる大事な期間です。

この貴重な期間にやっておきたいことは、勉強に遅れがある方はそれを取り戻すこと、順調な方は基礎項目を固めることです。

私が受験生時代に気をつけていたことは、「基礎的な項目でミスをしない、どれだけ点数を拾っていけるか」でした。

まとまった時間がとれるときに弱点を把握し、基礎項目で点数が取れるようにすると、総合問題の点数が安定してきます。

専門学校では、ゴールデンウィーク明けから応用項目の学習が始まりますが、その応用項目は基礎項目の上に建つ、いわば「建物」です。

基礎がしっかりしていないと応用がグラつき点数も伸びません。ゴールデンウィークは、土台である基礎をしっかり固める期間と位置付けましょう。

3つの「ない」を意識する

基礎項目を固めるうえでは、3つの「ない」を意識して勉強に取り組むことをオススメします。

1.正答率が高い問題を落とさない

これは基礎項目を固めるうえで非常に大切です。そもそも基礎項目ってなに?と感じる方は「正答率が高い問題」と読み替えてください。

正答率が高い問題というのは、受験した人が取りこぼさずに得点する可能性が高い問題、つまり基礎的な問題です。

今の段階では、応用問題ではなく基礎項目の総合問題を解いていると考えられますが、私は基礎項目の総合問題は満点が取れるまで繰り返し勉強していました。

最初は間違えるかもしれませんが、その問題こそ次に点を取るべき項目であり、復習するべき項目です。

これから応用期に入ると総合問題がどんどん難しくなり、点数も伸び悩むかもしれませんが、正答率が高い問題を取りこぼさなければ平均点以上を狙えます。

2.新しいテキスト・問題集に手を出さない

気合いが入って「よし!勉強するぞ」となったときにやりがちなのが、新しい教材に手を出すことです。

新しいテキストや問題集を買ったりしたくなる気持ち、とてもよくわかります。勉強している感が高まりますよね。

でも、いま手元にあるテキスト、問題集で100点が取れるようになっているか?と考えると、必ずしもそうではないはず。私自身のことを振り返ってみると、100点が取れないことからの逃げで新しい教材に手をつけていたように思います。

今あるテキスト、問題集を少なくともこのゴールデンウィークで完璧にできるようにしましょう。

3.同じ間違いを二度しない

私自身は受験生時代に「間違いノート」を作成して自分のミスと向き合っていました。

受験生の多くが正解するであろう基礎的な項目を落とすと、その分だけ合格が遠のきます。

そんなミスを二度しないための「間違いノート」であり、自分の弱点を知るきっかけとなります。

詳しくは会計人コースwebで「間違いノート」と検索すると合格体験記や勉強法に関する記事でたくさん触れられているので参考にしてください。

また、会計人コースBOOKS『新・独学ではじめる税理士試験合格法バイブル』に、私も「間違いノート」に関する記事を書いています。

ケアレスミスにもいろいろと種類があり、自分のミスと向き合うのは精神的につらいですが、間違いを分析して二度同じ間違いをしないように解きなおしをしましょう。

さいごに

ゴールデンウィークは、いま手元にあるテキスト、問題集に集中して、基礎的な総合問題で力を固めましょう。

そこで間違えた問題は弱点になりうるので、テキストに戻って例題や個別問題を解いたり、「間違いノート」を作ったり、その繰り返しです。

このように基礎項目を完璧にすることで、問題を解くスピード、解けるかどうか判断する瞬発力も上がります。

総じて本試験では時間が足りません。今の時点で基礎項目の問題に時間がかかっている場合は、なおさら本試験でも時間がかかることが想定されます。

理論問題も同じく、ここまでで覚えておくべき理論がアタマに入ってない場合には、まずはそこからです。新しいものに手をつけたところで、ここまでに覚えるべき理論がどんどん抜けていきます。

ゴールデンウィークは「復習期間」と心得て、応用問題を解くための堅固な土台として、基礎項目の解答精度をどんどん上げていきましょう!

〈執筆者紹介〉
神野 裕一(じんの・ゆういち)
税理士
1984年大阪府生まれ。2010年関西大学商学部夜間主コース卒業後、医療法人にて医療事務をしながら税理士試験に挑戦。法人税法に合格後、京都市内の税理士法人に転職し、2017年に税理士登録。2019年1月に京都市にて独立開業。税理士試験はすべて通信講座にて合格。
事務所ホームページ
著書『独立開業日誌: 独立3年目までの営業活動を中心に』(kindle版)


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