マサ
(福岡大学卒業後に受験専念)
合格時期:短答…2020年8月/論文…2021年8月
学習スタイル:専門学校(TAC)
将来は「数字にかかわる仕事」をしたい
私が公認会計士になりたいと考えたのは高校生のときです。
高校時代は数学が得意で、将来は数字を扱う仕事につきたいと考えていました。
自分なりに数字とかかわりのある仕事を調べていくなかで見つけたのが公認会計士です。
当時は業務内容やどのように社会貢献をしているのか深くは理解していませんでしたが、3大難関国家資格の1つで、受験資格が特に必要なく誰でも目指すことができるところに魅力を感じました。
計算攻略のコツは「自分の型」をつくる
そして大学入学後に勉強を始めます。私が通っていた大学には在学中に公認会計士資格の取得を目指すプログラムがあり、そこで文字通り1から勉強スタートです。
そのプログラムには、私のように簿記をはじめて学ぶ人と、高校などで簿記を学習してきた人の両方がいて、最初は“既習組”の電卓裁きや知識の量に驚愕しました。
「この差は簡単には埋まらない」と思ったので、はじめのうちは毎日、計算を徹底的にやりこむことにしました。
計算問題を解くにあたって私が重要視していたのは、単元ごとに自分の「下書き」を作ることです。
難しい問題を見ても、下書きという「自分の型」があるだけで自然と手が動きます。
何をすればいいか、この数字は何を意味しているのかを下書きに落とし込むようにしたことで、劇的に計算科目の点数が安定するようになりました。
理論は「テキストに付箋」で苦手克服
勉強が進んでいくなかでぶつかったのが「理論科目」という壁です。
理論科目では専門用語を正確に理解する必要がありますが、いま考えると当時の自分は、この基礎的なことを蔑ろにしていたと思います。
専門用語に対する理解が曖昧だと、おのずと短答式試験では選択肢の誤りに気づけなくなり、論文式試験では自分の言葉で要点をついた解答を書くことができません。
ふわっとした理解では太刀打ちできない試験なので、誤魔化しがきかないのです。
そこで私は、答練でも本試験でも点数が伸びない状態を自分なりに分析しました。
その結果たどりついた勉強法が、自分の言葉で説明した専門用語や図表を書いた付箋をテキストにとにかく貼る、ということです(トップ画像参照)。
最初のうちはテキストが付箋だらけで嫌になりましたが、覚えたものを外すようにしていくと自分の成長が可視化され、自然と苦手意識を取り除くことができました。
自分に合った学習スタイルで努力する
勉強するうえで私は、あまり計画を立てず、そのとき勉強したい科目を勉強するようにしていました。決めていたのは、朝起きたらまずは計算をすることくらいです。
答練の結果を受け、自分のなかで理解が足りないと感じた科目をそのとき勉強するほうが実になると考えていました。
また、私はかなり面倒くさがりなので、計画を仮に立てていたとしても、それを適宜修正しながら勉強を進めていくことは無理だったというのが本音に近いです(笑)。
勉強する場所も、私は勉強しながら頭の中にある情報を声に出していたので、自宅が多かったです。自宅だといくら独り言を言っても迷惑はかかりませんし、移動時間も取られません。
この勉強方法は少し珍しいかもしれませんが、公認会計士試験に合格するためには、自分に合った学習スタイルで努力を継続することが重要だと思います。
「正解」にたどりつく熱意をもつ
受験勉強を振り返ると、諦めない気持ちをもつことが大切です。
私自身は、短答式試験も論文式試験も決して順調に合格できたわけではなく、「不合格」という経験もかなりしました。
合格したときとそうでないときの違いは、精神論になりますが、合格するために1問でも、1点でも取ろうと「最後まで足掻いたか」だと思います。
問題を解き終わった後に厳しい目で解答を見返すこと、わからない問題であっても原則的な考え方と整合するかを考えることなど、あらゆるアプローチをして正解にたどりつくことが、知識以上に必要だと感じました。
受験生へのメッセージ
公認会計士試験は科目数や知識が膨大で、長期間勉強を要する方もいるでしょう。
長期間だからといって、手を抜ける時期があるわけではないことも厳しいところです。
だからこそ、体調管理を徹底することがとても重要です。
私は今回、体調を崩して答練を思うように受けられませんでした。
もちろんそれでも合格できるかもしれませんが、やはり答練を受けて自分の学習に最大限反映させるべきです。
先生にも言われましたが、会計のプロになるうえで、「体調管理もプロの仕事の一部」。
私の体験記を読んでくれた方が、試験日まで無事に走り抜け、合格を勝ち取ることを心から願っております。