【税理士試験】独学? 専門学校? 自分に合った学習スタイルを選択しよう!(前編)


税理士 矢野 太久(やの もとひさ)

みなさん、はじめまして。高知県で税理士をしております矢野太久です。

いよいよ税理士試験の合格発表が間近となりました。結果を受けて、現在の学習スタイルを継続する方、または、学習スタイルの変更を検討する方もいることでしょう。

そこで今回は、前編・後編の2つに分けて、「税理士試験の学習スタイル選択」についてお話しします。

私は受験生時代、独学に専門学校、専門学校では通信講座も通学講座も利用するなど、さまざまな学習スタイルを経験しました。

これからお話しする内容は、あくまでも私自身の経験から、私自身が感じたことです。実際は人それぞれに個人差があるので、1つの意見として参考にしていただければ幸いです。

前編では、「独学」か「専門学校」か、私の経験に基づいて、それぞれの特徴をご紹介します。

「コストがかからない」か「時間がかからない」か

私は簿記論から税理士試験を始めました。はじめは市販の教材を使って独学です。

独学のメリットは、なんといっても「コストがかからない」ことでしょう。そのため、合格までの過程としては、当初の私のように市販教材で独学することが最も理想的であるといえます。

しかし、実際は専門学校を利用して合格する受験生が大半です。それはなぜでしょうか。

独学には、「コストがかからない」こと以上のデメリットとして「時間がかかる」ことが挙げられます。

私が勉強を始めた当時は月刊誌「会計人コース」も発行されており、最新の情報を得ることができました。しかし、私の知るかぎり、当時は私に合った市販のテキストは販売されていませんでした。そのため、インプットには大変苦労した記憶があります。

税理士試験は苦手な論点を残すと、次々に苦手な論点が増えていき悪循環に陥ります。独学だと講師の解説もなく、わからない論点を聞くこともできません。周りに教えてくれる方がいないかぎり、すべて1人で合格までの実力をつけていくわけです。そのため、合格レベルに達するまでに相当な時間を要します。

また、合格するための「情報が少ない」こともデメリットといえるでしょう。

税理士試験は、たいていの受験生が解ける問題を必ず正答し、かつ、それを1問でも増やすことで合格できるといわれています。

専門学校では答案練習(答練)で正答率が公表されるため、どのような問題を正答すべきか把握することができます。そのため、情報によって「時間がかかる」というデメリットをカバーすることもできます。

「本試験の雰囲気に慣れる」ことも重要

こうして私は、独学で合格を目指すことは自分には合っていないと考えるようになり、TACの資料通信講座(資料のみのコース)で1から学習しなおしました。簿記論の勉強を始めてから5年の月日が経っていました。

専門学校はテキスト→問題集→確認テスト→答案練習という一連のカリキュラムに沿って試験対策を行います。また、試験日までの学習スケジュールも組まれています。

それでも私は数年間、合格できませんでしたが、出題傾向や会計処理方法が年々変わることから、毎年、資料通信講座を受講しつづけました。

不合格が続くなかで、しだいに私は、「本試験の雰囲気に慣れる」ことも試験対策として重要であると考えるようになりました。そこで、答案練習期に資格の大栄(通学)へ入校します。

それまでは1人で勉強していましたが、大勢の受験生と答案練習をすることで、本試験の雰囲気に慣れることができました。そして、その年にようやく合格することができました。

「独学」か「専門学校」か

私は簿記論の受験生時代、市販の教材、TACの資料通信講座、資格の大栄の答案練習を利用しました。ライブ講義は受けていないため、半分は独学のようなものです。

もちろん、専門学校を利用せずに完全独学で合格された方もいますので(西﨑 恵理『税理士試験「独学×家勉」で合格する方法Q&A』中央経済社、2021)、自身の置かれた状況を分析し、学習スタイルを確立することが必要でしょう。

私の経験上、理解力に自信があり、学習スケジュールをきちんと管理できる受験生は、独学で合格することができます。効率よく合格したい方は、専門学校を利用してみることが合格への近道となるでしょう。それでもコストをできるかぎり抑えたい、そんな方は最低限、資料通信講座を利用してみることをおすすめします。

後編は「通学」か「通信」か、それぞれの特徴をご紹介します。

〈執筆者紹介〉
矢野 太久(やの もとひさ)
税理士/矢野税理士事務所 副所長
1983年生まれ。普通高校を卒業後、専門学校へ進学し簿記を学ぶ。専門学校を卒業後、税理士事務所の仕事と試験勉強を両立し税理士資格を取得。2018年税理士登録。
従来の税理士業務のほか、経営計画策定支援、黒字化支援、事業承継支援などを行う。また、クラウド会計を利用した経理の効率化など、時代に即した会計・税務をモットーとする。
矢野税理士事務所ホームページ

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