情報収集は“2つの軸”がマスト! 会計士業界で“最高の職場”を見つける方法


キャリアコンサルタント 出川 雅人

公認会計士試験を受験された皆さん、お疲れ様でした。

新型コロナウィルス感染症の流行で、例年以上に厳しい受験環境だったことでしょう。しばらくはゆっくりして、就職活動はあとで、とお考えの方も少なくないと思います。

そうした方には、ぜひ考えていただきたいことがあります。それは公認会計士を目指した理由です。

勉強を始めたのは、よりよいキャリアのためだったはず。ところが、勉強を進めるうちに試験に合格することがゴールになっていませんでしたか? 

公認会計士試験の合格は、あなたのキャリアのスタートなのです。お疲れでしょうが、すぐに就職活動を始めましょう。合格発表まで何もしないと出遅れる可能性がかなり高いのです。

【合格者の就職状況は?】完全な売り手市場ではないが就職はできる

公認会計士論文式試験合格者の就職状況は4年前までは完全な売り手市場でした。ところが2018年あたりから少し状況が変わってきました。たとえ若くて高学歴であっても、真剣に就職活動をしないと、落とされる合格者が増えてきたのです。

とは言うものの、公認会計士論文式試験の合格者数は、2019年・2020年ともに1,330人ほど(旧制度合格者を除く)で、監査法人などの合格者採用枠は1,300以上ありますので、どこかには入れるでしょう。

ただ、その「どこか」が問題なのです。希望する法人に就職するために、しっかり就職活動をしましょう。

【2つの情報収集とは?】まずは自己分析からスタート

就職活動における情報収集というと、真っ先に「就職先」の情報収集を思い浮かべることでしょう。たしかにその通りですが、もう1つしていただきたいことがあります。それは「あなた」自身の情報収集、つまり「自己分析」といわれるものです。

公認会計士試験に合格したら、あなたは何をしたいですか? 監査は公認会計士の独占業務ですが、だからといって必ずしも監査をしなければならないというわけではありません。高度な知識を身につけた公認会計士には、あなたが考えているよりはるかに大きな活躍のフィールドがあるのです。

実際に、税理士法人、コンサルティングファーム、金融機関などは、積極的に公認会計士の採用活動を展開しています。ですから、「とりあえず監査」などと考えずに、携わりたい仕事があれば、最初からその方向に進まれてみてはいかがでしょう。

監査法人での経験は他の監査法人でも活きますが、監査法人以外に転職すると初心者からスタートしなければなりません。あなたは監査をしたいですか?

その次に、言うまでもなく「就職先」の情報収集です。もう志望先が決まっていて情報収集は必要ない、とお考えの方もいるでしょう。

そうした方に質問です。そこに入りたい理由は何ですか? 

「大手法人だから」は大手ならどこでもよいことになりますし、「研修制度が優れているから」も多くの法人にあてはまります。また、「先輩がいるから」「知人に勧められたから」も、先輩や知人にとってはよい職場でも、あなたにとってもよいという理由にはなりません。あなたは説得力のある志望動機をお持ちですか?

具体的な志望動機のない方は、できるかぎり多くの法人の情報を収集して比較することをお勧めします。そのために、まずはTACなどの受験対策校が発行する就職ガイドを入手し、就職説明会に参加されてはいかがでしょう。

これらの就職説明会は、論文式試験受験者であれば誰でも参加でき、無料です。新型コロナウィルス感染症が心配ですが、各校の就職説明会では、しっかりとした対策がされているようです。こうした就職説明会は1日で数多くの法人の情報を収集できますので、比較したうえで、入りたいと思う法人を探しましょう。その法人を選んだ理由こそが志望動機となります。

◆TAC校舎にある「THE PROFESSIONALS 公認会計士」も情報収集に最適(監修:記事執筆者)

【どこに就職する?】地方⇔東京の就職活動もしやすくなっている

大手監査法人や中堅監査法人、大手の税理士法人やコンサルティングファームは、東京以外の主要都市に支店を置いています。本部で一括採用するか、各支店で採用するかは法人ごとに異なります。ご出身地での就職を希望されている方は、まずその法人に採用枠があるのかを調べ、次いで応募窓口を確認しましょう。

ここ数年は、関東財務局の合格者数は、各法人の東京での採用枠よりも少ない傾向にあります。ご自身の出身地での就職が厳しければ、東京での就職を考えるのも1つの手です。

また、数多くの法人はリモート面接を導入しているので、地方から東京、東京から地方に応募する場合にも大きなメリットがあります。

実際にリモート面接を受ける前には、予行演習をしましょう。背景が明るいと顔が暗くなりますし、どのように映るのかを確認するだけでも価値があります。特に目線については、モニターのどのあたりを見ると面接官を正視しているように見えるのか、ぜひ確認してみてください。

【最高の就職先とは?】希望の仕事をするために

一言でいうと、「あなたに合った法人」です。

あなたのしたい仕事ができて、一緒に働きたいと思える人たちに巡り会うためにも、頑張って就職活動をしませんか? そこで働いている方々や代表者との相性がよいかどうか、そして経営方針に共感できるかを考えてみましょう。

判断基準は、規模でも法人名でもありません。

あなたに合った職場こそ最高の就職先なのです。さあ、就職活動を始めましょう!

〈執筆者紹介〉
出川 雅人
キャリアコンサルタント
伝統的な日本企業での海外駐在、外資系企業、ベンチャー企業を経て、TAC株式会社に入社。米国公認会計士講座責任者などを担当した後、TACプロフェッションバンクに出向。人材紹介コンサルタント、公認会計士/税理士業界の就職情報誌および就職イベントの企画・制作・運営に約15年間携わる。大学経営学部の4つのゼミでの就職指導にも7年間従事。


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