はじめて受験する人、再挑戦する人、あと1科目で官報合格を果たす人、仕事や学校と両立している人など、税理士試験にチャレンジする方はさまざま。
本試験を約1ヵ月後に控えたいま、自信のある方もいれば、焦る気持ちがどうしても出てしまい、勉強に集中できていない方も多いのではないでしょうか。
そこで、税理士受験生の皆さんが少しでも気持ちを落ち着かせることができるよう、先輩合格者の方々に本試験前の過ごし方を伺いました。
7月12日より5日間にわたって、タイプの違う方々にお話しいただきます。ぜひ、参考にしてみてください!(編集部)
先輩合格者を紹介!
松井 元(まつい・はじめ)
静岡県三島市の松井会計事務所に勤務する税理士。理系出身で元エンジニア。5年弱かけて簿記1級、税理士試験3科目(簿記論・財務諸表論・国税徴収法)、大学院での税法論文の執筆を経て税理士登録。ブログ「はじめろぐ」で税理士試験の勉強方法、大学院での論文の書き方も発信している。会計人コースBOOKS『大学院ルートで税理士になる!』に体験記を掲載。
Q1 本試験1ヵ月前はどうしてた?
税理士試験の直前1ヵ月は、「追い込み」の時期です。専門学校のテキスト、トレーニング、答練などを使って、これまで学習した内容を総復習しましょう。答練の解き直しは、毎日時間を計って本試験さながらに行うのがオススメです。その際には、机の上のペンや時計の配置なども決めて、本試験でも同じ条件で臨めるように準備しましょう。
あと忘れていけないのは、基礎を疎かにしないことです。直前期は、どうしても難しい問題に意識がいきがちですが、本試験で合否を分けるのは、正答率の高い問題を正解できるか否かです。簡単な問題ほど慎重に解く意識をもちましょう。
また、直前期は辛抱の時期ですが、たまには息抜きも必要です。私は、長時間集中して疲れたときには、よく10〜15分くらいYouTubeを観ていました。少しの休憩がちょうどいいリラックスになるので、参考にしていただければと思います。
Q2 本試験1週間前はどうしてた?
本試験1週間前は、いよいよ出陣に向けて気持ちが高ぶる時期です。武者振るいがすることでしょう。
この時期は、新しく学習することを増やしてはいけません。むしろ減らしていかなければならない時期です。
これまでに学習したことを消化できるように、残された日の勉強スケジュールを具体的に立てるようにしましょう。答練はどの回を解く、トレーニングのどこを解き直す、といったことです。前日に解き直す答練は、本試験に向けていいイメージを残すために、簡単な回のものにするといった工夫もオススメです。
また、夜型の生活を送っていた方は、体調を崩さないために朝方の生活に戻したほうがよいです。睡眠不足もよくはないので、適正な時間に寝るようにしましょう。
Q3 本試験前日はどうしてた?
いよいよ明日が本試験です。どれだけ勉強してきても不安を拭えないのが税理士試験です。ですが、この日は、これまでに努力してきた自分を信じて、自信満々でいてくださいね。
勉強は、最後の復習として「どこを確認しておきたいか」を事前に決めておきましょう。ちなみに私の場合、国税徴収法を受験したときは、すべての理論を前々日・前日の2日間で再確認しました。これがとても有効でした。
そこまでの時間を確保できない方は、短期間で忘れてしまった理論の見直しだけでもするようにしましょう。直前に見たものはなかなか忘れませんので。
答練の解き直しは、先にも書きましたように、簡単な回のものにしておいたほうがよいでしょう。
あとは、寝る前に明日1日のことを、朝起きてから会場に足を運び、試験を受け、うまくいったところまで細かくイメージしてみてください。とにかくいいイメージをもつことが大事です。
Q4 本試験当日はどうしてた?
いよいよ当日です。私は本試験会場に持っていくものを毎年決めていました。計算問題については特に何も持っていかず、理論のテキストを持っていき直前まで見直すようにしていました。また、これまでのケアレスミスの内容と対策を書き記したシートも眺めるようにしていました(これは日頃から、ケアレスミスを減らすためにやっていたことです)。
本試験会場に着いたら、たくさんの受験生がいます。みんな頭がよさそうに見えますが、私は「このなかで一番できるのは自分だ!」と言い聞かせていました。それぐらい強気でいるのがちょうどいいと思います。
試験開始直前に問題用紙が配られたら、解答用紙に名前を書くときに解答項目をよく見て、情報をつかむようにしましょう。
試験開始直後には緊張がピークに達すると思いますが、とにかく気持ちを落ち着けることが大切です。「大丈夫、大丈夫!」と自分に言い聞かせてみてください。そうすると、だんだんと気持ちが落ち着いてきますから。
総じて自信をもつことが大事です。そうすることで、緊張を和らげて平常心を保つことができます。これまで努力してきた自分を信じてください。
大学院にも通いながら税理士試験に合格された松井先生。
試験に向けてよいイメージをもつことが何よりも大事なのですね。
「前日に簡単な回の答練を解き直して自信をつける」という工夫を真似しようと思った方もいるのでは♪
大学院や会社に行きながら受験されている場合、試験まで勉強できる時間が少ないという方も多いと思います。
緊張や不安でいっぱいかもしれませんが、そんなときはぜひ、松井先生の過ごし方を参考にしてみてください!(編集部)