【公認会計士試験】短答式に不合格・・・受験を「続ける/やめる」の判断基準は?  


藤木 広
(資格試験のFIN主任講師/公認会計士・税理士)

“5回“までは受験を継続しましょう!

6月18日(金)に令和3年公認会計士試験(短答式)の結果が発表されました。なかには不合格となり、受験を続けるかどうか悩んでいる方も多いと思います。受験回数が複数に及ぶ方は、なおさら気になるところかもしれませんね。

私は専門学校で公認会計士講座の講師をしています。短答式試験の受験回数は、1回~3回が優秀、4回~5回が普通、6回以上は「よく粘って頑張りました」というのが、講師一般の感想です。

そのため私は、たとえ就職して学習時間が確保できなくなったとしても、5回までは受験を継続すべきと考えています。

それ以降も継続すべきかは、5回目の成績が合格ボーダーの80%に届いているかが目安になります。届いていないのであれば、思い切って「会計士試験には向いていなかった」と判断したほうがよいかもしれません。

粘れば合格できるかもしれませんが、いざ監査法人に就職した後に「やっぱり会計士には向いていなかった」となるよりは、自分に合った仕事に就くほうが幸せ度は高いはずです。

逆に言えば、合格ボーダーの80%を超えているのであれば、受験を続けてほしいです。

忙しいことで知られている宅配便ドライバーの方で、最後まで仕事をしながら論文式試験に合格された方もいます。

ある程度仕上がっているのであれば、仕事に就きながらでも合格できる試験なので、どうか諦めないで頑張ってください。

ただし、同じ学習方法・姿勢では合格しないかも?

1つの専門学校に長くいると、その専門学校の問題に慣れてしまい、答練ではいい成績がとれるようになります。

今回の短答式試験で、専門学校での成績に比べて本試験の得点が悪かった受験生は、専門学校を変えてみるのも1つの手です。

環境を変えると強いモチベーションにもなりますし、今までと異なる表現で解説されると、本当の姿が見えてくることもよくあります。

また、短答式試験では、初受験で得点率75%を超える受験生もいます(今回のボーダーは62%でした)。

こういった受験生の学習方法を見てみると、毎日、複数科目を同時並行的に学習しています。気分が乗らない日でも目次を眺めるくらいはします。

そして、捨てると決めた分野は、徹底して手をつけません。

どれを捨てる分野とするかは、「1回目の受験で75%を超える受験生が手を出すか?」ということを意識して判断してください。

このように、他の優秀な受験生を意識し、緊張感をもって学習に臨むことは、成績を伸ばすうえでとても大切です。

複数回不合格となっている受験生が今までどおりの学習方法を継続しても、同じ結果にしかならない可能性が高いです。

学習方法を見直すことはもちろん、専門学校を変える、夜型から朝型に変える、部屋のレイアウトを変える、電卓を変えるなど、リフレッシュすることも考えてみてください。

受験を断念しても、知識は大きなアドバンテージに!

公認会計士試験の受験で培った知識は、受験を断念して社会人になっても生かせるものがほとんどです。

たとえば、財務会計論で学習した仕訳や財務諸表の読み方は、「会計」がブラックボックスとなっている多くの社会人と比べて、大きなアドバンテージになります。

管理会計論で学習した財務情報分析、利益管理、資金管理、分権組織の管理会計といった分野も、管理職には必須の知識です。

私は税理士事務所の仕事もしていますが、会社法や商法総則・商行為の学習内容は、とても役立っています。

受験勉強で得た知識と経験は、仕事にプラスになることはあっても、マイナスになるようなものは何一つありません。

別の道に進もうと考えている方は、自信をもって、就職活動に励んでほしいと思います。

また、一度就職してから、公認会計士試験に戻ってくる方も少なくありません。日商簿記や全経簿記上級を継続的に受験して、自信がついたら、いつでも戻ってきてください。

応援しています。頑張ってください!

〈執筆者紹介〉
藤木 広 (ふじき・ひろし)
資格試験のFIN主任講師/公認会計士・税理士
1987年に慶應義塾大学商学部を卒業後、当時の6大監査法人の1つ、センチュリー監査法人に就職。同法人に勤務しながら、大手専門学校で公認会計士講座の専任講師を務め、管理会計論、2006年からは租税法も兼任した(監査法人は5年で退所)。大手専門学校を2013年に退社し、資格試験のFINを設立。

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