加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
その他有価証券であるA社株式(取得価額1,000円、当期末時価1,200円)について時価評価を行う。法定実効税率は30%である。
(借)その他有価証券 200
(貸)その他有価証券評価差額金 200
(借)法人税等調整額 60
(貸)繰延税金負債 60
解答
×
その他有価証券評価差額金は、直接純資産の部に計上される場合、その他有価証券評価差額金を直接減額する。
(借)その他有価証券 200
(貸)繰延税金負債 60
その他有価証券評価差額金 140
根 拠
税効果会計に係る会計基準
第二 税効果会計に係る会計基準 二 繰延税金資産及び繰延税金負債等の計上方法 3.繰延税金資産と繰延税金負債の差額を期首と期末で比較した増減額は、当期に納付すべき法人税等の調整額として計上しなければならない。 ただし、資産の評価替えにより生じた評価差額が直接資本の部に計上される場合には、当該評価差額に係る繰延税金資産又は繰延税金負債を当該評価差額から控除して計上するものとする |
ワンポイントアドバイス
その他有価証券評価差額金のように、損益計算書を経由しないで直接純資産の部に直接計上する項目(評価・換算差額等)については、法人税等調整額は計上されません。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。