【1日1問!〇×会計クイズ】純資産・外貨建取引⑯


加藤大吾
(公認会計士・税理士)

公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題! 

もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。

○×問題

決算整理に際して、関連会社株式として保有するD社株式(取得価額100ドル、取得時の為替相場1ドル=130円)について、決算時の時価80ドル、為替相場1ドル=80円)となった。

(借)関係会社株式評価損 6,600
 (貸)関係会社株式 6,600

解 答

×

減損の判定は外貨建ベースの取得価額と時価との比較によるため、時価が取得価額の20%の下落にとどまるため、減損処理を行うことはできない。

根 拠

会計制度委員会報告第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」

時価のある外貨建有価証券の評価額の引下げ(一 2 (1) ③ ニ)

19.外貨基準一 2 (1) ③ ニにより、時価のある外貨建有価証券について評価額の引下げが求められる場合には、外貨建ての時価を決算時の為替相場により円換算し、この場合に生じる換算差額は当期の有価証券の評価損として処理する。

また、金融商品会計基準第20項では、「満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式並びにその他有価証券のうち、市場価格のない株式等以外のものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理しなければならない。」とされている。また、「著しく下落した」かどうか、及び「回復する見込がある」かどうかは金融商品会計実務指針第91項に従い判断することになるが、外貨建有価証券の場合、この「著しく下落した」かどうかは、外貨建ての時価と外貨建ての取得原価とを比較して判断する

なお、外貨建その他有価証券のうち債券について、時価の著しい下落は生じていなくても、円相場の著しい上昇により、円換算後の金額が著しく下落するときには、外貨建ての時価を決算時の為替相場により円換算し、この場合に生じる換算差額を当期の損失として処理する。

ワンポイントアドバイス

外貨建有価証券の減損処理の判定は、円換算後ではなく、外貨建ベースで比較することになります。

〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。


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