加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
【〇×問題】
当社は退職給付の制度として、確定給付型企業年金制度を採用している。退職給付債務3,000円、年金資産2,900円、未認識数理計算上の差異600円(借方残高)のとき、個別貸借対照表において、退職給付に係る資産500円と表示される。
【正解】 ×
個別貸借対照表では、退職給付に係る資産ではなく、前払年金費用として表示される。
【根拠となる会計基準】
企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準」
(個別財務諸表における当面の取扱い)
39. 個別財務諸表上、所定の事項については、当面の間、次のように取り扱う。
(1) 第13項にかかわらず、個別貸借対照表上、退職給付債務に未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用を加減した額から、年金資産の額を控除した額を負債として計上する。ただし、年金資産の額が退職給付債務に未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用を加減した額を超える場合には、資産として計上する。
(5) 本会計基準等で使用されている「退職給付に係る負債」、「退職給付に係る資産」という用語(本会計基準の公表による他の会計基準等についての修正を含む。)は、個別財務諸表上は「退職給付引当金」、「前払年金費用」と読み替えるものとする。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。