コロナ禍で普段と大きく異なる環境での学習・受験を強いられた第70回(2020年)税理士受験生。
今もなおコロナ禍が続く中、第71回(2021年)試験に向けてどう勉強していけばよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで急きょ、第70回(2020年)試験で簿記論に合格された、千葉商科大学「瑞穂会」の宇佐美貴輝さん(現4年生)・大塚ほのみさん(現4年生)に、この状況下でどう勉強していたのかインタビューをさせていただきました!
宇佐美さん・大塚さんは、第69回(2019年)税理士試験の合格発表後、会計人コースで行った「【座談会】簿・財 第69回合格者×受験生」に、「これから簿・財を受験する方」として参加していただいた方々です。*
* お二人と一緒に参加された杉山裕紀さん(現4年生)も、第70回(2020年)税理士試験で簿記論に合格されています!
宇佐美さん・大塚さんたちが所属されている千葉商科大学「瑞穂会」は、専任教員の先生方が常駐している教室があり、切磋琢磨しあえる仲間たちがいて、日商簿記検定や税理士試験の勉強をするのに最適な場!
実際に、多くの学生が日商簿記3級→2級→1級と合格し、税理士試験にステップアップしています。
しかし、2020年はコロナ禍で大学に入構できなくなるなど、「瑞穂会」での勉強も大きな環境の変化があったそうです。
そうした困難の中、はじめての受験で合格レベルに達するためには何をすればいいのか? 実践的な工夫について、じっくりとお話を伺いました☆
はじめての税理士試験!
――まずは……簿記論の合格おめでとうございます! お二人は、第70回(2020年)が “はじめての税理士試験”でしたが、受験されてみてどうでしたか?
大塚さん 日商簿記3級からずっと、簿記の勉強をして試験を受けていたので、思ったより緊張しませんでした。どちらかというと日商簿記1級を受験したときのほうが緊張していました(笑)。ただ、日商簿記では大学が試験会場だったのが、税理士試験では別の試験会場に行く必要があって、到着するまでは少し緊張しました。
宇佐美さん 僕も、日商簿記と試験会場が違っていたので緊張しました。日商簿記は、瑞穂会の人たちと一緒に授業を受けて、受験して……という感じでしたが、税理士試験では仲間が他の教室にいたので、試験前に緊張をほぐす会話ができなくて、少し不安な気持ちもありました。
モチベーションをアップさせた工夫☆
――“いつもと違った環境” というのは緊張しますよね。この「環境の変化」は、コロナ禍で普段の学習にもあらわれたのではないかと思います。実際に、コロナの影響で学習環境やモチベーションに変化はありましたか?
宇佐美さん いつも勉強していた瑞穂会の教室に入れなくなって、学習環境がガラリと変わりました。僕は家だと絶対に集中できなくて、休みの日でも学校に行って勉強するタイプだったので、モチベーションを保つのが大変でした。
大塚さん 私も、勉強する場所と遊ぶ場所をしっかり分けたくて、学校で学習するスタイルでした。学校に行けば、瑞穂会メンバーの誰かしらが勉強しているので、それに刺激されて「自分もやらなきゃ」となるのですが、コロナで学校に入れなくなったので、仕方なく家で勉強していました。ただ、やっぱり家だと勉強できなくて、途中から祖母の家に机ごと持っていって勉強していました(笑)。
――思い切った環境チェンジですね! 「モチベーションを保つのが大変だった」というお話があったのですが、モチベーションを上げる工夫などはされていたのでしょうか?
大塚さん 私も宇佐美くんも、なかなか財表理論のモチベーションが上がらず、「これはヤバいね」となって、4月終わりくらいから問題を出し合うようにしていました。簿記論などの計算は1人でやっていても自然と集中力が出てくるのですが、理論は文章ごとに集中力が切れてしまって……。誰かと問題を出し合うことで、無理にでもやらなきゃいけない環境を作りました。
宇佐美さん あらかじめ「ここからここまで覚えてこよう」と範囲を決めて、LINEのビデオ通話を使って、1時間くらい問題を出し合っていました。狭い範囲から始めて、徐々に覚える範囲を増やしていきました。
合格のために大切なこととは?
――この時代ならではの工夫ですね。前回の座談会から1年勉強してみて、大切だと思ったことはありましたか?
大塚さん 自分の立ち位置を知るのが大切だと思いました。というのも、コロナで人と会えなくなって、自分で感覚的にボーダーを決めてしまうこともありました。この模擬問題で7割とれたしいけるかな、というふうに。ただ、自分が勝手に「できた」と思っていただけで、周りの人はもっと高い点数をとっていたかもしれません。コロナ前は、誰かと話したり一緒に勉強したりすることで自分の実力が把握できていたので、そういったコミュニケーションをコロナ禍でどうとっていくかは今後の課題なのかな、と感じています。
宇佐美さん 勉強しやすい環境を作ることも大切だと思います。僕は、家で勉強しなければいけなくなった最初の頃、自分の部屋にはローテーブルしかなかったので、リビングで勉強していました。ただ、それだとまったく集中できなかったので、勉強用の机とイスを揃えました。
大塚さん また、誰かと一緒に教え合うことも大切だと思います。私は、もとからあまり解説を見るタイプではなく、間違ったら解答だけを見て「なんでこうなるんだろう?」と考えるようにしているのですが、それでもわからず、解説を読んでもわからないときは、誰かに聞くようにしていました。特に、宇佐美くんには本当にお世話になりました(笑)。
宇佐美さん 僕も大塚さんによく聞いていました(笑)。対面で会えていたときから、瑞穂会は学生同士でも教え合うようにしていました。誰かに教えることで、自分も理解が不十分な点に気づいたり、知識が定着したり、そのおかげで日商簿記1級や簿記論にも合格できたと思っています。
第71回試験に向けて
――最後に、今年の抱負を教えてください。
宇佐美さん 今年は、財務諸表論と消費税法を受験する予定です。はじめての税法科目ですが、財表よりは理論を覚えるモチベーションは上がっています。最近では理論の勉強も安定してきていて。書いて覚えるスタイルなのですが、ボールペンのインクがなくなるのが楽しいです。この調子で頑張っていきたいです。
大塚さん 私も、財務諸表論と消費税法を受験します。ただ、「大学院入試や卒論が終わってから」と考えていたので、まだ本格的に取り組めていない状況です。短期集中型なので、「この期間でしっかり押さえる」と決めて頑張っていきたいです。
――第71回(2021年)試験に向けて頑張ってください! 本日はありがとうございました♪
千葉商科大学 会計教育研究所「瑞穂会」
会計教育の実践の場として「瑞穂会」があります。「瑞穂会」は千葉商科大学の学生を対象に、日商簿記検定、税理士試験科目(簿記論・財務諸表論)の講座を開講し、受講料無料で受験指導を行っています。「瑞穂会」では、専用の教室を有し、専任教員が常駐して学生の受験指導にあたります。現在、多くの合格者を輩出しており、毎回の合格率は全国平均を大きく上回っています。また、瑞穂会では、大学の授業と資格試験の両立に悩む学生に効率的な学習方法をアドバイスするなど、個々の学生の状況に応じた細やかな指導を行っています。
HP:https://www.cuc.ac.jp/iaer/mizuho/index.html