【税理士試験 合格体験記】学習計画と進捗状況を把握し、3科目に同時合格


Y.H
(会計事務所勤務・30代)

出身地:神奈川県
受験歴:2年目
合格科目:簿記論・財務諸表論・国税徴収法(2020年)
学習時間:平日4時間半程度/休日6~8時間
学習スタイル:専門学校(TAC)通信

目次
税理士を目指したきっかけ
1日のスケジュール
3科目を並行するには、学習計画を立てて記録をつける
簿・財は答練の解き直しが大事
立ちはだかった「税法の壁」
「理論の回転表」を作って楽しく勉強
理論は「主語」に気をつけて暗記
難問は「解かない」勇気をもつ
メッセージ

税理士を目指したきっかけ

上場企業で営業として働いていましたが、担当のお客様(税理士)から「営業もできるし、この世界に向いていると思うから目指してみたらどう?」と言われたことが、税理士を目指したきっかけです。

実は大学卒業時に税理士を目指そうか考えていたのですが、5科目取得するまでに長期間かかることもあり、一般企業に就職することを優先しました。(当時は科目免除制度など知りませんでした。)

税理士を目指すにあたっては、税理士になるための最短距離を決めました。それが大学院に通って税法免除を受け、税理士試験で残り3科目に合格することです。

そのため、2018年4月に大学院に入学し、並行して税理士試験3科目の勉強を始めました。(初年度は大学院が忙しく税理士試験は受験しておらず、最初に受験したのは2019年です。)

また、会計事務所の実務も経験したいと思い、会計事務所にも転職しました。

1日のスケジュール

私は、仕事をしながら大学院と専門学校(通信)を受講していました。2020年3月に大学院を修了しましたが、修士論文の作成もあり多忙を極めました。

以下が、大学院修了後、2020年の主な1日のスケジュールです。

平日のスケジュール

6:45 起床
8:45 事務所着
8:45~9:00 国税徴収法理論マスター
9:30~12:30 仕事
12:30~13:00 昼食(事務所近くの喫茶店)
13:00~13:30 国税徴収法理論マスター
13:30~17:30 仕事
17:30~20:00 学習(講義視聴・主に簿財の答練や問題を解く)
21:30~22:30 帰宅後、夕食
22:30~23:00 国税徴収法理論マスター
23:00~23:30 入浴(湯舟で理論を思い出せるか確認)
24:00~24:15 国税徴収法理論マスター
24:30 就寝

休日のスケジュール

7:30 起床
9:00~11:00 簿記論の答練(本試験を意識して9時から解くように習慣化)
11:00~11:30 解答確認、間違えた箇所の解き直し
12:00~12:30 昼食・休憩
13:30~15:30 財務諸表論の答練
15:30~16:00 休憩
16:00~17:00 解答確認、間違えた箇所の解き直し
17:30~18:30 財務諸表論の理論
18:30~19:30 夕食
20:00~21:00 国税徴収法理論マスター
21:00~21:30 入浴
22:00~23:00 国税徴収法理論マスター
23:30 就寝

2020年はコロナの影響で専門学校の自習室も閉鎖されるなど、学習場所に困ることもありましたが、事務所の所長先生が勉強に使用してもよいと、学習環境を提供してくれました。そのため、平日の仕事終わりすぐに学習に取り掛かれたことは大きかったです。

3科目を並行するには、学習計画を立ててて記録をつける

3科目を同時並行するにあたって、大事にしていたことは「学習計画」です。

TACの通信を受講していたのですが、カレンダーに講義のスケジュールを書き込み、配信日には必ず受講するようにしました。

また、次の授業までに演習問題を2回解くことを目標にし、そのスケジュールをExcelで管理していました。これによりTo Doが明確になったと思います。

さらに、1ヵ月後には3回目、その1ヵ月後には4回目を解くことも目標にしていました。

進捗状況をExcelで管理

他にも、アプリ「Study Plus」で1日の勉強記録をつけるようにしました。1日あたりの学習時間、科目のバランスなどを把握していました。

簿・財は答練の解き直しが大事

実は、2019年にも3科目を受験したのですが、圧倒的なアウトプット不足で不合格でした。しかも、2020年6月に実施された全国模試でも、まだ3科目ともに合格圏外でした。

「これはマズい」と思って学習計画を振り返ったところ、簿記論と財務諸表論が、演習問題は3回目、4回目とできていても、答練の解き直しはできていなかったということがわかりました。

答練は2時間なので、本試験の感覚をつかむのには最適です。それなのに、まとまった時間を捻出することが難しいという理由で後回しにしていました。

なんとかしようと、TACの講師の先生が「答練は分解して解いてもいい」とおっしゃっていたことを思い出し、それを参考にしました。

たとえば簿記論であれば、第1問~第3問の3問構成であることがほとんどです。そのため、30分の時間ができたら第1問だけ解き、1時間とれたら第3問を解く、といった具合に答練の解き直しをするようにしました。

立ちはだかった「税法の壁」

私の場合、問題だったのが税法科目でした。

受験した国税徴収法は理論科目であるため、講義を聞くだけでは到底問題を解くことができません。そのため、いかに理論マスターを正確に記憶するかにかかっていました。

しかし、直前期の5月までは、どうしても簿記論と財務諸表論に8割ほどを使ってしまい、まったく国税徴収法の勉強ができていませんでした。

毎月実力テストもあったのですが、勉強が追いついていないので、理論マスターを見ながら解答を作成していました。本当に「なんとかやっている」という感じです。

暗記も苦手だったので、理論マスターのAランクを確認し、その場で覚えはするものの、数日経つと忘れてしまうといった状況でした。

「理論の回転表」を作って楽しく勉強

国税徴収法についてはあまり情報がなかったのですが、SNSを見ていたら「理論の回転表」というものを作成していた方の記事が目に留まりました。理論マスターの項目ごとに回転した日付を記録するといったシンプルなものです。

自分もやってみたところ、日付を記録することが楽しく、毎日理論マスターを開くようになりました。

朝の15分、昼の30分、移動の合間の15分、お風呂に入る前の30分、寝る前の30分といったように、スキマ時間に理論をやるようにし、最初は1周するのに1週間程度かかりましたが、最後は1日で回転できるようになりました。

Excelで作った理論の回転表

理論は「主語」に気をつけて暗記

理論は、理論マスターの内容を細切れにして、ブツブツ唱えながら覚えるようにしました。覚えたと思ったら、理論マスターを閉じて通しで言えるか試し、少しでも詰まったら最初からやり直すようにしていました。

特に、主語に気をつけて「誰が行う手続きなのか」を意識して覚えました

また、一字一句正確に覚えるようにしました。少しでも違うと意味合いが変わってしまうこともあるためです。

国税徴収法は独特な言い回しもあるため、慣れるまでに時間もかかりましたが、特別な勉強法もないと感じたので、本試験当日までずっとブツブツ言っていました。

試験前日の夜に、「こんなこと来年もやってたまるか、絶対に合格するんだ」と自分自身に誓ったことを覚えています。

難問は「解かない」勇気をもつ

答練や全国模試で高得点がとれれば、当然嬉しいものですが本試験に必ず合格できるというわけではありません。

重要なのは、答練や全国模試を通して、自分の学習方法が正しいのかどうか、何が足りていないのか、他の人はどこができているのか、客観的な分析をすることだと思います。

税理士試験は相対評価であるため、皆ができるところをいかに取りこぼしなく正答できるかにかかっています。いわゆるAランクをとり、Bランクを半分以上とれば、それ以外はスルーしてもいいということになります。

問題が解けるようになると難しい問題に取り組みたくなります。これは受験生なら経験があることだと思います。しかし、時間をかけても正答できなかったり、他のAランクを解答する時間がなくなったりと、たいしていいことはありません。

難問や手数がかかる問題は、勇気ある撤退をするべきです。これを恐れずに実行することが大事だと思います。

メッセージ

最後まで諦めずに頑張ることが大事です。

身近に勉強仲間がいなくても、SNSを活用することで頑張る仲間から刺激を受けることができます。

少しの時間でも机に向かうことで習慣化し、合格を掴み取ってください!


関連記事

ページ上部へ戻る