こんにちは、編集部です。
「会計人コースWeb」では、簿記検定や税理士試験、公認会計士試験など、“会計系資格”の受験に役立つ情報を提供しています。
この「会計人ペディア」は、読者の皆さんの「そもそも○○って何だろう?」という“ちょっとしたギモン”に応えるコーナーです。
これまでの取材や蓄積されてきた情報をもとに、編集部が率直にお答えします!
もし、「こんなことが知りたい」というテーマがありましたら、編集部までご意見をお寄せください♪
前回の「会計大学院ってどんなところ?」に引き続き、今回は、会計大学院へ行くメリットについて考えていきます。
会計大学院へ行く5つのメリット
会計大学院にはさまざまな魅力がありますが、編集部が考える大きなメリットは、以下の5つです。
1.日本でトップクラスの学者・実務家によるハイレベルな教育が受けられる!
会計大学院には、学会でも高く評価されている学者、またさまざまな実務経験を有した実務家が、教員として多数所属しています。
こうした先生方に教育を受ける機会は滅多になく、また人的なつながりもできることは、会計大学院の最も魅力的な点の1つといえるでしょう。
2.会計士試験の短答式科目免除が可能!
「会計大学院ってどんなところ?」でもふれていますが、会計大学院で所定の単位を修得した修了者は、公認会計士試験の短答式試験4科目のうち、財務会計論・管理会計論・監査論の3科目が免除されます。
現在、公認会計士試験において短答式試験が大きなハードルとなっており、苦戦する受験生も多いと思われます。
短答式のような知識を暗記することが苦手な方は、検討してもよいのではないでしょうか。
3.税理士試験の科目免除が可能!
会計大学院では、会計士養成を大きな教育目的にしていますが、税理士志望者であっても、論文指導を含む必要な単位を修得し、税法または会計に関する学位論文を作成することにより、税理士試験の科目免除を申請することができます。
税法に関する学位論文を提出した場合は税法2科目が、会計に関する学位論文を提出した場合は会計1科目が免除されます。
税理士試験の科目免除制度については、以下の記事を参考にしてください。
通常の大学院でも税理士試験の科目免除はもちろん可能ですが、会計大学院では実践的な科目も多数開講されており、「理論と実務を同時に学べる」という点がメリットといえるでしょう。
なお、税理士試験の科目免除については、すべての大学院に当てはまるわけではなく、大学院により方針が異なるので、詳細は各校のHP等をご参照ください。
4.民間企業へプロフェッショナルとして就職できる!
各会計大学院では、会計士、税理士志望者だけでなく、民間企業等への就職志望者も多くなっています。
各校の就職状況をみるとよくわかりますが、経理・財務の専門職として公開企業等に多数就職を果たしています。
学部卒で就職するよりも、高度な専門知識を身につけて就活の選択肢を増やしたいという方も、進路の大きな選択肢の1つになるでしょう。
5.会計士、税理士、経理・財務担当者のリカレント教育の場としても最適!
1.で指摘したように、会計大学院では日本でトップクラスの学者・実務家によるハイレベルな教育が行われています。
実務の動きが速く、ニーズも多様化するなかで、プロフェッショナルの方々の再教育の場としても大きなメリットがあります。
一流の教員や同窓生とも人脈ができることも大きな魅力ですね。
注意したい点も…
なお、上記の魅力の一方で、
- 学費がかかる
- 会計士短答式3科目免除まで2年かかる
- 会計士試験対策は大学院では行われず自分で行う必要があり、大学院でも相当の学習量が求められる
などの側面もありますので、入学を考える際には、これらを十分検討しましょう。
編集部からのオススメ書籍
以下の『スタンダードテキスト』シリーズは、会計大学院のテキストとして作成された書籍です。ぜひご参考にしてください。
・佐藤信彦他編著『スタンダードテキスト財務会計論1(基本論点編)』(第13版)
・佐藤信彦他編著『スタンダードテキスト財務会計論2(応用論点編)』(第13版)
・山本浩二他編著『スタンダードテキスト管理会計論』(第2版)
・盛田良久他編著『スタンダードテキスト監査論』(第5版)