ココが間違い!
交際接待費の損金不算入額は永久差異に該当するので、繰延税金資産を計上してはならない。
【間違った解説】
1.決算整理仕訳
(1) 繰延税金資産
(借) 繰延税金資産 21,000
(貸) 法人税等調整額 21,000
{20,000円(減価償却費)+50,000円(交際接待費)}×30%=21,000円
2.B/S固定資産・投資その他の資産の繰延税金資産
21,000円(繰延税金資産)-3,000円(繰延税金負債)=18,000円
【正しい解説】
1.決算整理仕訳
(1) 繰延税金資産
(借) 繰延税金資産 6,000
(貸) 法人税等調整額 6,000
20,000円(減価償却費)×30%=6,000円
2.B/S固定資産・投資その他の資産の繰延税金資産
6,000円(繰延税金資産)-3,000円(繰延税金負債)=3,000円
チェックポイント
永久差異となる項目として、交際接待費、寄附金および罰科金の損金不算入や受取配当金の益金不算入などがあるので、これらの項目については頭に入れておくこと。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。
本連載は、会計人コース2020年3月号別冊付録「読んで考えて総復習 間違いだらけの計算問題」を再編集したものです。